小仏トンネル

小仏トンネル：歴史と構造、そして渋滞対策

小仏トンネルは、東京都八王子市と神奈川県相模原市緑区の都県境に位置する小仏峠付近の山を貫くトンネルです。JR中央本線と中央[[自動車道]]に同名のトンネルが存在し、それぞれの役割を担っています。

歴史的背景

かつて甲州街道は小仏峠を越えるルートでしたが、勾配が急であったため、明治時代に大垂水峠越えの道が国道20号として指定されました。しかし、鉄道と高速道路は直線的なルートが求められたため、小仏峠にトンネルが建設されることになりました。

中央本線 小仏トンネル・新小仏トンネル

JR東日本の中央本線、高尾駅 - 相模湖駅間には、上り線専用の小仏トンネルと下り線専用の新小仏トンネルがあります。特急「あずさ」や「かいじ」が走行し、東京と大月、河口湖、甲府方面を結ぶ重要なルートです。

構造の特徴

小仏トンネルは、断面が小さいため、パンタグラフの高さに制限があります。通過可能な車両には◆マークが付けられており、かつては「低屋根車」も存在しました。建設当時は、トンネル内の勾配が急で、乗客は熱気や煤煙、機関車の空転音に悩まされる難所でした。

沿革

1901年：八王子 - 上野原間開通時に小仏トンネル供用開始
1964年：高尾駅 - 相模湖駅間複線化、新小仏トンネル供用開始
1987年：国鉄分割民営化によりJR東日本に継承

中央[[自動車道]] 小仏トンネル・小仏第二トンネル

中央[[自動車道]]の八王子JCTから相模湖東出口（下り線）、相模湖IC（上り線）の間には、下り線用の小仏トンネルと上り線用の小仏第二トンネルがあります。一般的には両方を合わせて小仏トンネルと呼ばれます。

構造の特徴

トンネル内には都県境が示されています。

沿革

1968年：八王子IC - 相模湖IC開通に伴い供用開始
2001年/2003年：上り線・下り線の天井版撤去
2005年：日本[[道路公団]]民営化に伴い中日本高速[[道路]]に継承

渋滞対策

小仏トンネル手前は上り坂であるため、GWやお盆、年末年始などの繁忙期には頻繁に渋滞が発生します。特に上り線では、大月JCT付近まで渋滞が伸びることもあります。

小仏トンネル付加車線設置事業

上り線では、2007年末に登坂車線が設けられ、2012年からは3車線での運用が行われています。また、国土交通省は新たなトンネル（仮称「新小仏トンネル」）を掘削する計画を進めており、2021年3月から本体工事に着手しました。完成後は1車線運用となりますが、将来的な改修を考慮して2車線化が可能な幅員が確保されます。

その他の対策

2019年4月からは、トンネル内で速度低下を感知した際に速度回復を促すメッセージ放送を開始し、渋滞緩和に効果を上げています。

関連商品

中央[[自動車道]]の石川パーキングエリア（上り線）では、「小仏トンネルロールケーキ」が販売されています。

小仏トンネルは、交通の要所として重要な役割を担う一方で、渋滞が頻発する地点でもあります。新トンネルの建設をはじめ、様々な対策が進められており、今後の交通状況の改善が期待されます。

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