小坪

小坪 (こつぼ)

小坪は神奈川県逗子市に位置し、神奈川県の西端にあたる町名です。総面積は1.59平方キロメートルで、逗子市全域の約9%を占めています。境界は西側に鎌倉市が接し、北には鎌倉市大町、北東には逗子市久木、南東には逗子市新宿が隣接、そして南西は相模湾に面しています。

地理的特性

小坪の海岸には小坪湾が広がり、特徴的な大崎と飯島崎の二つの小岬に囲まれています。洞穴である小坪湾は、逗子海岸と材木座海岸の間に位置し、自然の美しさと豊かな海の恩恵を享受しています。このように小坪は、周囲を自然に囲まれた静かな場所で、元々は隠れ里のような存在でした。

町域の北端には神奈川県道311号鎌倉葉山線があり、そこを通じて鎌倉市と逗子市を結ぶ重要な交通路となっています。海沿いには小坪漁港や逗子マリーナがあり、小坪の経済活動の一端を担っています。また、名越切通しや小坪隧道といった歴史的なスポットも存在し、観光客にも人気です。

住宅地としての小坪

戦後、小坪の漁港や周辺地域は大規模に開発され、新興住宅地が形成されました。小坪湾の北西側が埋め立てられ、高層マンションが立ち並ぶ逗子マリーナ地区が誕生しました。近年の公示地価は2023年時点で1平方メートルあたり約14万1000円と高く、付近の住宅地は人気があります。

町の歴史

小坪は長い歴史を持ち、縄文時代や弥生時代の遺跡が発掘されています。律令時代には古東海道が通り、鎌倉の南境として発展しました。「小坪合戦」として知られる源頼朝に関する歴史的な戦いもこの地域で起きました。鎌倉時代には、当地で供された魚介類が鎌倉の町へと運ばれ、重要な漁港として機能しました。江戸時代末期までには幕府直轄地となり、その後も千年以上にわたる歴史の中で変遷を遂げてきました。

文化的行事

小坪では、地域の伝統行事や祭りが盛んに行われています。毎年1月2日には八大龍王社の祭りとして「みかん投げ」が行われ、一年の豊漁と海上安全を願います。夏には「天王祭」が開かれ、町内の各地で山車が競い合います。さらに33年ごとに行われる「三十三年大祭」では、須賀神社との共同で盛大な神輿渡御が行われます。

現在の小坪の姿

2021年の統計によると、小坪には多くの世帯が暮らし、公共施設や教育機関も充実しています。小坪小学校は地域の学区に位置し、地域のコミュニティセンターや公園が住民の憩いの場となっています。また、海岸には多くの神社や仏閣があり、地域の信仰心を育んでいます。

小坪は、その豊かな自然環境、歴史的背景、地域密着の文化行事を持ち続ける魅力的な町です。訪れる人々に多様な体験を提供し、地域の誇りを育んでいます。

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