小杉武久

小杉 武久 (こすぎ たけひさ)

小杉武久（1938年3月24日 - 2018年10月12日）は、日本の著名な作曲家であり演奏家である。彼は東京に生まれ、東京藝術大学の楽理科を卒業した。彼の音楽活動は、即興演奏から実験的な音楽に至るまで多岐にわたり、特に1960年代から1970年代にかけての数々の活動は、日本の現代音楽シーンにおいて重要な意味を持っている。

経歴

1960年に、彼は水野修孝と共に「グループ音楽」を設立し、即興演奏パフォーマンスで注目を集めた。同時期、米国のフルクサス運動に参加し、その影響を受けながら新たな音楽表現を模索していく。

1964年には著名な作曲家である武満徹や一柳慧とともに「Collective music」を結成し、マース・カニングハム舞踏団が初めて日本を訪れた際には、ジョン・ケージやデイヴィッド・チューダーと共演を果たす。この交流は、彼の音楽活動にさらなる深みをもたらした。

1965年には米国に渡り、ニューヨーク・アヴァギャルド・フェスティヴァルに参加し、1967年には欧州各地でフルクサス作家との交流を深め、デュセルドルフやアムステルダム、ベルリン、コペンハーゲンなどでコンサートを行った。

1969年にはタージ・マハル旅行団を結成し、ストックホルムの「ユートピア＆ビジョン」やロンドンでの実験音楽祭「ICES’72」に参加するなど、精力的に演奏活動を展開した。さらに1970年には日本万国博覧会で祭り広場の音楽制作を手掛けたほか、1975年には美学校に音楽教場を開設し、即興音楽集団「イースト・バイオニック・シンフォニア」を指導した。

1977年には米国に移住し、引き続きマース・カニングハム舞踏団の音楽監督として、またヴァイオリン演奏家として活動を行った。特に彼の音楽にはテクノロジーを駆使した繊細な表現が見られ、これまでの音楽の枠を超える新たな可能性を示した。

彼の活動は国際的にも広がりを見せ、1978年および1979年にはパリやオランダで音楽祭に参加。1980年には「目と耳のために」展や視聴覚展にサウンド・インスタレーション「五十四音点在」を出品した。1981年にはDAAD （ドイツ学術交流会）に招待され西ベルリンに滞在し、1982年にはハンブルク美術学校の客員教授を務めた。

1984年にはプロ・ムジカ・ノーヴァ音楽祭（ブレーメン）でソロ演奏を行い、1986年にはロンドンのアルメイダ音楽祭に参加。特に東京国立劇場での「舞楽」公演ではジョン・ケージ作曲の「RENGA=連歌」に参加し、パリのポンピドゥー・センターでの日本前衛美術の動向展にも出品し、パフォーマンスも行った。

2008年には横浜トリエンナーレに参加し、2018年に食道がんで80歳の生涯を閉じるまで、彼の音楽活動は多くの人々に影響を与え続けた。

代表作品

• - ある革命のための音楽 (1964)
• - ピアノ・ウェイヴ・ミックス (1972)
• - キャッチ・ウェイヴ (1975)
• - Improvisation Sep. 1975 (1975)
• - Cycles (1981)
• - Violin Solo (1983)
• - 円盤 Live At The すとれんじ ふるぅっ (1983)
• - 薫的遊無有-infinite Emanation (1985)
• - Violin Improvisations (1990)
• - キャッチ・ウェイヴ'97 (2008)
• - 2012.10.26 Hall Egg Farm (2012)

著書

• - 音楽のピクニック（書肆風の薔薇／1991）

彼の豊かな音楽の軌跡は、今なお多くの音楽家や音楽愛好者にとってインスピレーションの源であり続けている。

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