小樽運河

小樽運河とは

小樽運河（おたるうんが）は、北海道小樽市に位置する重要な水路です。この運河は1923年に完成し、日本国内で唯一の海岸沖合い埋立て方式によって造られました。全長は1,140メートルで、運河の北部では最初の40メートルの幅を保持しており、その緩やかな湾曲が特徴的です。

観光資源としての変貌

1986年、小樽運河の一部が埋立てられ、その跡地には散策路が整備されました。この改修により小樽市は観光資源を大きく発展させ、運河の周辺は観光名所としての地位を確立しました。特に、63基のガス灯が散策路の魅力を引き立て、運河沿いに広がる木骨石造倉庫群は、当時の姿をそのまま残しており、夕暮れ時には美しくライトアップされます。これらの要素は、小樽運河の美しい風景を一層引き立てています。

歴史背景

小樽運河は、かつて小樽港の荷量増加に伴い、艀を利用した荷揚げ作業を効率化するために建設されました。しかし、戦後は埠頭の整備が進み、その役割を終えることとなります。その後、運河周辺にはかつての倉庫群などの歴史的建造物が多く残りました。

1966年、モータリゼーションが進む中で小樽市内の交通渋滞が深刻となり、都市決定計画が発表されました。この計画には運河の埋立てと歴史的建物の解体が含まれていましたが、周辺住民の強い反対が起こりました。この動きに応じて、「小樽運河を守る会」が設立され、運河の保存が強く訴えられるようになりました。

保存活動の軌跡

1973年、運河の保存を求める活動が市民によって行われ、小樽市は北海道初の景観条例である「小樽市歴史的建造物及び景観地区保全条例」を制定しました。その後も、様々な議論と協議を経て、1986年に運河の一部を道路として整備する計画が実行されることとなります。この結果、運河の多くは保存され、散策路やポケットパークが設けられ、小樽運河は新たな観光地として生まれ変わりました。

現在の小樽運河

現在、小樽運河は観光名所として賑わいを見せています。運河周辺では飲食店や土産物店、ガラス工房などが立ち並び、多くの観光客が訪れています。また、人力車での遊覧や運河を周遊する観光船の運航も行われ、様々な楽しみ方を提供しています。

さらに、小樽運河は「小樽歴史景観区域」として指定され、木骨石造倉庫の再活用が進められており、歴史的建物との調和を保ちながら新しい魅力を創出しています。

選定された魅力

小樽運河はその美しい風景から、さまざまな選定を受けています。代表的なものには「都市景観100選」「日本夜景遺産」などがあり、これらはこの地域の文化的価値を象徴しています。

アクセス

アクセスも良好で、JR北海道の小樽駅から徒歩約8分の距離にあるため、観光する際にも不便を感じません。周囲には小樽市総合博物館や観光物産プラザといった観光スポットも点在しており、多様な体験が可能です。

このように小樽運河は、歴史的な背景を持ちつつ、現代の観光地としても多くの魅力を有している場所です。

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