小池一子

小池 一子（こいけ かずこ）

小池一子（こいけ かずこ）は、1936年生まれで、東京都を拠点に活躍しているクリエイティブ・ディレクターおよびコピーライターです。彼女は武蔵野美術大学の名誉教授でもあり、多様な分野での業績が評価されています。彼女の家族についても注目すべき点があり、父親は教育学者の矢川徳光であり、姉は作家で詩人の矢川澄子です。

学歴とキャリアの始まり

小池は恵泉女学園中学校・高等学校を卒業後、早稲田大学の文学部英文科で学びました。その後、アドセンターで著名なデザイナー堀内誠一のもとでコピーライティングや広告の企画に取り組みます。1961年からはフリーランスとして活動を開始し、西武百貨店や西武セゾングループの広告プロジェクトに参加。特にアートディレクター田中一光と組んだプロジェクトは数多くあります。

無印良品の立ち上げ

1980年には、堤清二社長のもとで無印良品の立ち上げに関与し、長年アドバイザリーボードの一員として活動を続けています。また、1976年には「株式会社キチン」を設立し、編集、デザイン、美術展の企画に力を注ぎました。

これまでに企画した美術展は、京都国立近代美術館での「現代衣服の源流展」や、西武アートフォーラムでの「フリーダ・カーロ展」、宇都宮美術館や広島市現代美術館での「日本のライフスタイル50年展」など、多岐にわたります。特に、2000年にはヴェニス・ビエンナーレの国際建築展での日本館「少女都市」にも関与しました。

アートスペースの創設

また、1983年には東京都江東区に「佐賀町エキジビットスペース」を創設し、自ら運営するアートスペースとして活動しました。このエキジビットスペースでは現代美術の展覧会が行われ、大竹伸朗や森村泰昌、杉本博司、内藤礼といった著名なアーティストの作品が紹介されました。

教育者としての活動

1988年からは武蔵野美術大学の教授として、ファッション・デザインと現代美術の接点に関する授業を担当。生徒の才能を見出すことに長けており、大田垣晴子など多くの才能ある学生をサポートしてきました。さらに、多摩美術大学でも客員教授として教鞭を執っています。

評価と受賞歴

彼女の活動は広く評価されており、1985年度の毎日デザイン賞や1995年度の日本文化芸術振興賞、2019年には文化庁メディア芸術祭の功労賞を受賞しています。2020年度には文化庁長官表彰を受け、2022年度には伊丹十三賞および文化功労者に選ばれるなど、多くの賞を受けています。

主な著作

小池の著作もその影響力を示しています。『現代衣服の源流』や『スヌーピー・イン・ファッション』など、多様なテーマに基づいた書籍を手掛けており、多くの読者に支持されています。また、翻訳作品としては、ジュディ・シカゴの自伝『花もつ女』やダイアナ・ヴリーランドの『アルール 美しく生きて』などがあります。

総じて、小池一子は日本におけるファッションとアートの領域で重要な役割を果たしてきた人物であり、その影響は多くの分野に及んでいます。

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