尾道大橋

尾道大橋の概要

尾道大橋（おのみちおおはし）は、広島県尾道市に位置する国道317号上の海上道路橋であり、本州と向島をつなぐ重要な交通路です。橋は、1968年に開通した有料道路として始まりましたが、2013年に料金徴収が終了し、現在は誰でも無料で利用できるようになっています。特に、歩行者も通行可能であり、多くの観光客や地元住民にとって欠かせない存在です。

この橋は約200メートルの尾道水道を越え、西側には新尾道大橋が位置しています。新尾道大橋は料金が発生する自動車専用の橋であり、尾道大橋は生活道路としての役割も果たしています。

橋の特徴と建築技術

尾道大橋の全長は386メートルであり、最大支間長は215メートルに及びます。主塔の高さは約76メートル、路面の高さは34メートルに設定されています。この橋は、3径間連続鋼箱桁放射形斜張橋という特異な設計を採用しており、鋼斜張橋の初期の代表作とされています。特に、日本で初めて主径間長が200メートルを超えた斜張橋としても知られています。

設計は日本構造橋梁研究所が行い、施工は日立造船および大林組によって実施されました。これにより、技術の進歩が反映された新しい橋を通じて、地域の交通利便性が大いに向上しました。

歴史的な経過

尾道大橋は、日本道路公団による一般有料道路事業として1966年に着工しました。1968年には竣工し、3月4日に有料道路として開通しました。その年、土木学会の田中賞も受賞しました。以降、1988年には本州四国連絡橋公団に移管され、1999年には広島県道路公社に引き継がれました。

2013年までは維持管理や料金徴収が行われていましたが、同年の3月31日に料金徴収が終了し、翌日からは無料で開放されました。今後も地元の人々や観光客によって使われ続けることでしょう。

使用上の注意

尾道大橋では、特定の条件下で通行が制限される場合があります。具体的には、風速が20メートルを超えると歩行者や二輪車は通れなくなり、その他の車両は風速25メートル以上で通行禁止となります。また、歩道部分は斜張橋特有の張り出しケーブルの影響もあり、狭くなっている場所があるため、自転車の通行には注意が必要です。地域の自治体は、向島と尾道間の移動においては渡船を利用することを推奨しています。

景観と技術の進化

新尾道大橋は、景観に配慮して設計されており、尾道大橋と比べると橋の形状やケーブルのデザインが異なります。新尾道大橋は主塔がスリム化され、ケーブル本数も増えて技術的な進化が見られます。このことは、尾道大橋の設計から30年間の技術向上の成果を示すものです。

尾道大橋は、ただの交通手段だけでなく、地域の歴史やテクノロジーの象徴として多くの人々に親しまれています。

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