山崎氏

山崎氏の歴史と系譜

山崎氏（やまざき、またはやまさきし）は、日本の武家・華族に属する氏族であり、特に宇多源氏佐々木氏の支流として知られています。この氏族の起源は、宇多天皇の末裔である山崎憲家が近江国の犬上郡山崎城に住み、以後「山崎」を名乗ったことに始まります。

憲家の子、山崎片家は六角氏、織田信長、そして豊臣秀吉に仕官し、秀吉の時代には摂津国三田で2万3000石の領地を拝領しました。さらに、その嫡男である山崎家盛は、慶長5年（1600年）に因幡国若桜藩主となり、3万石を治めました。次代の山崎家治は、寛永15年（1638年）に領地を1万石加増され、4万石で肥後国の富岡藩に転封されましたが、その後も領地は増え続け、最終的には讃岐国丸亀藩で5万石を治めるに至ります。

山崎氏の歴史の中で、特筆すべきは最後の藩主、山崎治頼の代です。彼は無嗣断絶となり、丸亀藩が改易されることとなります。しかし、治頼の叔父で後見人であった山崎豊治は5000石の知行を得て、名跡を継承しました。豊治は万治元年（1658年）に備中国成羽に転封され、以後、成羽において交代寄合として代々続きました。

幕末において、山崎治正は王政復古の令に従い、藩昇格を請願しました。そして仁和寺宮嘉彰親王からの助言を受け、明治元年に1万2746石余の諸侯昇格を認められ、成羽藩が再設立されました。明治2年（1869年）、治正は家督を嫡子の治祇に譲り、治祇は華族に列されました。明治4年の廃藩置県まで成羽藩知事として活躍しました。

明治17年（1884年）、華族令が施行され、山崎氏は男爵家に昇格しました。このように、山崎氏は日本の歴史の中で重要な役割を果たしてきた家系であり、その多様な系譜と歴史的経緯は非常に興味深いものです。

その他の山崎氏の系譜

山崎姓は日本各地に数多く存在し、その系譜はそれぞれ異なります。越前国の山崎氏は赤松氏の流れを汲み、朝倉氏に仕官していましたが、信長の時代に滅亡しました。ただし、山崎長徳はその後、明智光秀や佐久間安政に仕え、前田利長の重臣として明治まで続きました。

また、駿河国・相模国の山崎氏は藤原氏の一族であり、室町末期に武田家や今川家の庇護を受けて土着化しました。武蔵国にも山崎氏があり、小野姓横山党の一族として知られています。さらには、土佐国の山崎氏も歴史が深く、山崎山重を祖とし、長宗我部元親に仕えたと言われています。

以上のように、山崎氏は日本全国に分布し、それぞれ特有の成り立ちを持っています。各地方の山崎氏は、時代を経てもその名を残し、伝統や文化を形成してきたのです。

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