山本嘉子

山本 嘉子（やまもと よしこ）

山本嘉子は、1936年に東京都で生まれた日本の声優である。声優事務所のオフィス薫に所属しており、そのキャリアは多岐にわたる。彼女の夫は俳優の近藤洋介であり、つまり、芸能界においても注目される存在である。

略歴

山本は日本大学芸術学部を卒業し、1958年3月にTBS放送劇団の6期生として入団した。同期には貴家堂子や白川澄子が名を連ねる。大学入学以前には、劇団山王でも活動しており、声優としての基礎を築いていた。その後は青年工房、中川プロ、土の会、赤坂プロダクション、江崎プロダクション、サンエース企画など、様々なプロダクションに所属し、数多くの役柄を演じてきた。

音声的特性と役柄

彼女の音域はアルトであり、演技スタイルとしては「自然にアテる」ことを重視している。役柄によっては、少し不安定で怯えたような声を使い分け、悲劇的な状況にあるキャラクターをリアルに演じるこが得意である。山本は自身の声の特徴が、成熟していない女性の声に合うと感じており、たどたどしい話し方が感情表現として活かされていると述べている。

主な活動

彼女のキャリアは1958年10月に始まった。芸術祭参加作品であるテレビドラマ『マンモスタワー』でのヒロイン、片桐奈美役が初めての重要な役になった。この役は、演出家の石川甫が山本の明るくドライな性格を評価して起用したものである。役作りの一環として、乗馬を学び、洋舞の特訓も行った。

山本はまた、1969年から1976年までテレビアニメ『サザエさん』で磯野ワカメを演じており、多くの人に親しまれた。しかし、健康上の理由から降板することになった。降板後、後任の声優が選ばれたが、それには入れ違いの事情があった。子どもを持つ母親としても知られ、PTAの活動では「ワカメちゃんやって！」と求められることもあったという。彼女は恥ずかしさを感じつつも、その人気を実感していた。

趣味・特技

山本の趣味は陶芸であり、それに対する情熱は計り知れない。また、フランス語が得意で、点字に関する資格も取得している。このように、声優業の枠に収まらず、多才な才能を持つ人物としても知られている。

代表作と出演歴

テレビアニメ

• - 1965年: 『ジャングル大帝』（マリー）
• - 1969年: 『サザエさん』（磯野ワカメ〈初代〉）
• - 1971年: 『新オバケのQ太郎』（ドロンパ）
• - 1973年: 『ど根性ガエル』
• - 1980年: 『鉄腕アトム』（プーク、ピピ）

劇場アニメ

• - 1971年: 『みなしごハッチ 忘れな草に願いをこめて』（アーヤ）

吹き替え

• - 多数の映画でキャラクターの声を担当しており、アニメや実写映画が多数ある。

このように、山本嘉子の声優人生は長い歴史を持ち、カラフルな役柄を通じて日本のアニメやドラマに大きな影響を与えてきた。彼女の声と演技スタイルは、今も多くのファンに愛され続けている。

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