山種美術館

山種美術館の詳細

山種美術館（やまたねびじゅつかん）は、東京都渋谷区広尾にあり、日本画に特化した美術館です。この文化的な施設は、公益財団法人山種美術財団が運営しており、1966年に設立されました。その設立は、日本国内で初めて日本画専門の常設展示を行う美術館としての歴史的な意義を持っています。

歴史と移転

山種美術館は1966年に東京都中央区日本橋兜町にて開館しました。創業者である山崎種二が蒐集した数百点の美術コレクションが展示され、多くの人々に日本画の魅力を伝える場となりました。その後、美術館は1998年に一時的に千代田区三番町へ移転し、2009年には現在の渋谷区広尾に新築された「ワイマッツ広尾」に移設されました。この新たなビルは、2010年度のグッドデザイン賞を受賞しています。

所蔵品とコレクションの魅力

山種美術館は、約1800点以上の作品を所蔵しており、特に速水御舟、川合玉堂、奥村土牛といった著名な日本画家のコレクションが充実しています。これらの作品の中には、重要文化財として指定されている作品が6点もあります。また、近世から現代にかけての日本画が幅広く展覧され、特に日本画が長持ちしづらいことを考慮し、定期的に企画展が行われています。

山種美術館の御舟コレクションは、安宅コレクションから由来しており、主に速水御舟の作品を中心に形成されています。1976年に、山崎富治の協力により、これらの作品が山種美術財団に譲渡されました。それ以来、この美術館は「御舟美術館」として知られ、地域の文化活動の中心となっています。

特別展の開催

2019年には、広尾への移転10周年を祝う「生誕125年記念 速水御舟」展が開催され、御舟コレクションの全作品が10年ぶりに公開されました。この特別展は、多くの来館者を迎え、速水御舟の芸術に触れる貴重な機会となりました。

デザインとロゴ

山種美術館のロゴマークは、デザイナー佐藤卓によって制作され、日本画の特徴を表現しています。ロゴは「日本画」と「YAMATANE」の言葉を重ね合わせてデザインされ、色は東山魁夷が好んだ群青色が使用されています。館名は著名な画家安田靫彦の揮毫によるものであり、美術館の文化的価値を象徴しています。

アクセス

山種美術館へは、JR恵比寿駅の西口から徒歩10分、または東京メトロ日比谷線恵比寿駅の2番出口からも徒歩10分でアクセスできます。都心に位置するため、訪れるのに便利なロケーションです。

このように、山種美術館は日本画の魅力を発信し続け、その収蔵品や特別展を通じて、多くの人々に愛されている美術館です。

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