岩徳線

岩徳線の概要

岩徳線（がんとくせん）は、山口県の岩国市から周南市にかけて運行される西日本旅客鉄道（JR西日本）の地方交通線です。主な区間は、岩国駅から櫛ケ浜駅までで、途中には高森駅があります。この路線は全線が非電化・単線でありながら、歴史的には山陽本線の短絡線として計画されました。原則として山陽道に沿った経路に沿って整備され、多くの長いトンネル区間と急勾配を有するのが特徴です。

路線の管理と運行形式

全区間は広島支社の山口エリア統括部によって管理されており、路線図や駅掲示の時刻表には青緑のラインカラーが用いられています。岩徳線の運賃等は岩国駅から櫛ケ浜駅間の営業キロに基づき計算されており、ICOCAエリアには含まれていないため、ICOCAを使用することはできません。

全体で15の駅が存在しますが、岩徳線専用の駅として数えた場合、山陽本線がある岩国駅と櫛ケ浜駅を除けば13駅が存在します。近年では列車の運行本数が減少しており、現在は普通列車のみが運行されている状況です。特急や急行の設定は長年にわたって行われていません。

列車の運行状況

岩徳線では、主に普通列車が1時間から3時間に1本程度の頻度で運行されています。また、特定の時間帯には周防高森発の列車が岩国行きで運転されることもあります。これらの列車は全て山陽本線に乗り入れ、徳山駅に発着しています。さらに、錦川鉄道の錦川清流線の列車も岩国駅から川西駅・森ヶ原信号場間で乗り入れています。

かつては運休日が設けられ、運行がない日は夕方の列車だけが運行されることもありましたが、現在はほとんどの列車がワンマン運転で運行されています。使用される車両はすべて、下関総合車両所に配備されているキハ40形およびキハ47形です。

利用状況と地域との関係

岩徳線の平均通過人員は年度ごとに変動しており、経営において赤字が続いています。特に2017年度から2019年度の平均営業係数は394を記録しており、地元の自治体とJR西日本との間で今後の利用促進に向けた協議が行われています。

歴史

この鉄道路線は1920年代から建設が始まり、1934年に全線が開通しました。初開通時は取り急ぎ山陽本線の一部として編入され、その後も様々な運行形態が続いてきました。長年にわたって蒸気機関車やディーゼル機関車による運行が行われ、1971年には蒸気機関車の運行が終了しました。

意外と知名度は低いものの、岩徳線当初の運行形態を支えていたのが地域の利便性であり、特に災害時の迂回路としても利用され、重要なローカル線として位置づけられています。最近では、国土交通省による公募事業で次世代バイオディーゼル燃料の実証実験が予定されており、将来的には利用促進につながることが期待されています。

このように、岩徳線は地域交通の重要な役割を担いながら、歴史ある路線としての価値を維持しています。

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