錦川鉄道

錦川鉄道株式会社の概要

錦川鉄道株式会社（にしきがわてつどう）は、山口県岩国市に拠点を置く第三セクターの鉄道会社です。この企業は、山口県や岩国市などの出資を受けて、地域の鉄道事業を担い、錦川清流線などを運営しています。

主な事業内容

錦川鉄道は、国鉄の特定地方交通線であった岩日線を転換した錦川清流線の運行を中心に、多岐にわたる事業を行っています。旅行業も展開しており、屋号を「清流線トラベルサービス」として認知されています。さらに、岩国市錦町総合支所と提携し、路線バスの運行（いわくに市営錦バス）を行い、かつレンタサイクル事業も手掛けています。また、岩国城や岩国城ロープウェーの管理業務も受託しており、その幅広いサービスが特徴です。

特に目を引くのは、国鉄時代に未成線として残されていた区間を活用したゴムタイヤ遊覧車「とことこトレイン」の運行です。この遊覧車は、地域活性化のために貢献したとして、2004年に国土交通省から「日本鉄道賞」を受賞するなど、その取り組みが評価されています。このゴムタイヤ遊覧車の片道運行距離は約6kmで、日本国内で最も長い距離を誇ります。また、光るトンネル壁画を使った広瀬トンネルも、620メートルの連続距離で日本一の記録を保有しています。

経営状況

鉄道事業においては一度も営業黒字を計上したことはありませんが、地元住民の鉄道への支持や自治体からの支援、他の非鉄道事業からの収入によって比較的安定した経営が続いています。1998年に並行して運行していたJRバス中国が撤退したことも、収支改善に寄与していました。しかし、2017年度以降、年間1億円の赤字が続く状況が続いており、2025年以降には存続に関する協議が始まる予定となっています。

鉄道事業の歴史

錦川鉄道は1987年4月に設立され、同年7月にはJR西日本の岩日線を転換し、錦川清流線の開業を迎えました。その後も様々な取り組みを実施しており、1997年にはレンタサイクル事業を開始、1998年にはバス運行の委託を受けました。2002年には遊覧車の運行を開始し、その後も多様なサービスの提供に努めています。

現行車両と事業の展開

錦川清流線の現行車両には、2017年に導入されたレトロ調のNT3000形や、キハ40形があります。特に、キハ40はJR東日本から購入されたもので、開業30周年を記念するイベントでも披露されました。また、「とことこトレイン」も二代目の電気自動車を用いて運行しています。

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錦川鉄道は、地域の文化や観光資源の活用を目指し、今後も様々な挑戦を続けていくことでしょう。

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