崑崙

崑崙（こんろん、クンルン）について

崑崙とは、中国の古代伝説における特異な山のことを指します。別名として崑崙山や崑崙丘、あるいは崑崙虚とも呼ばれています。この山は、中国の西側に位置し、黄河の源流でもあり、神秘的な玉石を産出するとされています。また、仙女の居住地である西王母が存在すると考えられ、伝説によれば、ここは「仙界」と称され、多くの仙人たち、特に八仙が居住する場所でもあると伝えられています。

この神話の中での崑崙は、万仭の高さを誇り、外周は800里に達するとされます。さらに、この山は天帝による下界の都であり、開明獣によって守護されているとされている点にも特筆すべきでしょう。また、崑崙の下には、浮遊することができない弱水が存在し、燃え続ける火炎の山も隣接しているという不思議な世界観が描かれています。

フィクションにおける崑崙

崑崙は実際の地理的な存在だけでなく、数多くのフィクション作品においてもその名が使われています。例えば、『封神演義』では、仙人たちが住む神聖な山として登場します。また、小野不由美の小説『十二国記』では、中国を表す象徴として言及されることもあります。

さらに、朝松健の『崑央の女王』の中では、クトゥルフ神話の地底世界、クン・ヤンに繋がりがある名前を持つ地名として使われています。加えて、マーベルコミックスのスーパーヒーローであるダニー・ランドは、彼の修行を行った幻の地をクン・ルンとして描写され、その影響も広がっています。

他にも、山田正紀の『崑崙遊撃隊』や、遊演体が提供する『蓬莱学園シリーズ』など、数え切れないほどの作品で取扱われてきました。特に、佐島勤の小説『魔法科高校の劣等生』では「崑崙方院」という名称の組織が登場し、崑崙の概念をさらに広げています。

崑崙と現代の文化

また、アニメ『ルパン三世 PARTIII』のエピソード「さらば黄金伝説」では、崑崙が封印された古代都市として描かれ、主人公たちによって再発見されるなど、崑崙が持つ神秘性が現代でも活用されています。さらに、中国国家航天局が保有している「崑崙基地」という月面基地名や、田中芳樹の小説『創竜伝』内でも、崑崙は仙人たちの住まう山として機能しているなど、その存在は時空を越えて広がっています。

軍事や大学文化にまで及ぶ影響

また、驚くことに、崑崙は中国人民解放軍海軍の071型揚陸艦の艦名としても使用されています。この艦は「昆仑山（Kunlunshan）」と呼ばれ、NATOコードネームでは「玉昭（Yuzhao）型」とされています。

教育の面でも、東海大学の応援歌は「西崑崙の山の波、東無限の太平洋～」と歌詞に含まれ、崑崙の概念を用いて地理的な視点や詩的な表現がなされています。このように、崑崙の影響は文学や comics だけでなく、現代社会の様々な領域にまで及んでいるのです。

総じて、崑崙は単なる古代の神秘的な山を超え、様々な文化的要素と結びついた重要な存在であり、その影響は広範囲にわたっています。

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