川上未映子

川上未映子 (かわかみ みえこ)

川上未映子は1976年8月29日生まれの日本の小説家、詩人、そして元歌手です。彼女は大阪府大阪市での成長を経て、文学と音楽の両方で独自の道を切り開いてきました。

来歴

川上は大阪市立すみれ小学校から始まり、大阪市立工芸高等学校のデザイン学科を卒業しました。高校卒業後、家計を助けるために本屋で働きつつ、夜は高級クラブでホステスとしてしのぎを削る日々を送りました。1996年には日本大学の通信教育部に入学し、哲学を専攻します。

彼女の音楽活動は2002年に始まり、ビクターエンタテインメントから「川上三枝子」という名前でデビュー。その後、改名し「未映子」として音楽活動を続け、数枚のアルバムをリリースしましたが、広く認知されるには至りませんでした。

周りの評判を受け、書くことへとシフトした川上は、2006年にエッセイ集『そら頭はでかいです、世界がすこんと入ります』を発表し、若島正による高い評価を得ます。2007年に出した処女作『わたくし率 イン 歯ー、または世界』は彼女の名を一気に広めることとなり、次の年に『乳と卵』で芥川龍之介賞を受賞。この受賞は彼女の作家としての地位を確立させました。

その後も、精力的に執筆を続け、数々の賞を受賞しています。作品は多岐にわたり、小説、詩、エッセイなど多様なジャンルをこなしています。中でも『ヘヴン』は、2010年に紫式部文学賞を受賞したことでも知られています。また、彼女の作品は映像化もされ、映画『アイスクリームフィーバー』が公開されました。

人物

川上は私生活でも波乱万丈で、2006年に最初の夫と結婚し、何年か後に離婚しました。続いて、文芸誌のシンポジウムで編集者の阿部和重と出会い、再婚。2012年には男児を出産し、家庭を持つ一方で文筆業を続けています。

受賞歴

彼女の業績は賞に評価されており、2007年には早稲田大学坪内逍遙大賞奨励賞を受賞。続いて、2008年には芥川龍之介賞を受賞し、以降も中原中也賞や紫式部文学賞など数々の文学賞で名を馳せています。2023年には読売文学賞小説賞も手にしました。

著書

川上未映子の作品は『わたくし率 イン 歯ー、または世界』『乳と卵』『ヘヴン』『愛の夢とか』『夏物語』『黄色い家』など、豊かなテーマと表現で知られています。また、随筆や対談集、詩集も多く発表しており、近年は『深く、しっかり息をして』など、自らのエッセイも発表しています。

影響

川上の作品はその深い心理描写や、現代社会への鋭い視点から、読者にしばしば強い感情的反響を呼び起こします。また、彼女は2024年7月から芥川賞の選考委員を務める予定で、今後の文壇での活動にも期待が寄せられています。

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