川島織物セルコン

株式会社川島織物セルコンについて

株式会社川島織物セルコン（Kawashima Selkon Textiles Co., Ltd.）は、京都市左京区に本社を構える繊維会社で、主に呉服商から室内装飾へと進化を遂げ、現在はインテリア商品や内装材を中心に多様な製品を提供しています。特にカーテンやカーペット、壁装材など、インテリアデザインに欠かせないアイテムで高い評価を得ています。

文化と歴史の融合

同社は、織物文化館を併設しており、ここでは染織品、精緻な帯、美術工芸の織物などが展示されています。日本の室内装飾織物の先駆けとなった歴史的資料も数多く所蔵されており、訪れる人々は織物文化の魅力とその発展を深く理解することができます。

会社の歴史

川島織物セルコンの前身は、京都の「川島織物」と神戸の「セルコン」で、最も古い創業は1843年（天保14年）にさかのぼります。1910年（明治43年）からは室内装飾の制作にも着手し、明治・昭和の宮殿の内装などを手がける名門となりました。また、ニコライ2世の来日時にはロマノフ王朝御用達となり、国際的にも認められたブランドへと成長しました。

2006年、川島織物はセルコンと合併し、川島織物セルコンが誕生しました。この合併により、両社の技術と資源が融合し、カーテンの市場シェアは約150億円に達し、業界のトップに立つこととなります。さらに、2011年には住生活グループ（現在はLIXILグループ）の完全子会社となり、2021年にMBOを実施して独立を果たします。

主な製品

川島織物セルコンの製品ラインナップには、インテリア部門としてカーテン、カーペット、壁装材、椅子張地、バーチカルブラインドなどがあります。また、伝統的な和装品においても呉服や祭礼幕、織機の製造に注力し、多様なニーズに応える製品を展開しています。特に、祇園祭に使用される祭礼幕は、自社製品が多く使用されており、地域文化にも貢献しています。

自動車向け製品

産業資材部門では自動車用のカーシート表皮材が注目されており、日本国内でのシェアは約30%を占めています。この分野では、2010年にトヨタ紡織・豊田通商グループとの合弁会社「TBカワシマ」が設立され、カーシート製品の生産へシフトしています。

まとめ

川島織物セルコンは、伝統の継承と現代のインテリアデザインを結びつける企業として、常に新たな展開を続けています。織物文化を大切にしながらも、お客様の多様なニーズに応える製品を提供し、国内外での信頼を築いているという点で、繊維業界において重要な存在となっています。

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