市原駅

市原駅：叡山電鉄鞍馬線の静かな駅

京都府京都市左京区に位置する市原駅は、叡山電鉄鞍馬線に属する地上駅です。駅番号はE14。古くからの歴史と、近年開発が進む地域を繋ぐ、静かで落ち着いた雰囲気の駅です。

歴史を刻む駅舎

市原駅は1928年（昭和3年）12月1日、鞍馬電気鉄道の駅として開業しました。その後、1942年（昭和17年）8月1日には京福電気鉄道鞍馬線の駅となり、1986年（昭和61年）4月1日からは叡山電鉄鞍馬線の駅として現在に至ります。開業から約100年近くの歴史を有する駅舎は、時代の移り変わりを静かに見守ってきた証人と言えるでしょう。

特に注目すべきは、1939年（昭和14年）9月の二軒茶屋～市原間の単線化です。これは当時の鞍馬電気鉄道の経営合理化策の一環として行われました。この単線化により、駅構造も変更されました。当初は相対式ホーム2面2線でしたが、現在では単式ホーム1面1線となっています。宝ケ池～二軒茶屋間は1990年までに複線化されましたが、市原～二軒茶屋間は現在も単線のままです。複線時代の痕跡は、上りホーム跡や鞍馬川に架かる市原橋梁の橋台・橋脚、大神宮社参道に架かる市原陸橋の橋台などにわずかに見ることができます。

アクセスと周辺環境

市原駅は無人駅ですが、ホームは屋根で覆われており、雨天時でも比較的快適に利用できます。ただし、出入口には階段しかないため、車椅子での利用には介助が必要です。これは、駅が単線化された経緯や、周辺の地形と関係があるかもしれません。

駅周辺は、鞍馬街道（旧道）沿いに古くからの集落があり、郵便局や商店などが軒を連ねています。近年では、その周囲に新興住宅地が広がり、生活環境は変化しつつあります。駅と隣の二ノ瀬駅の間には、線路沿いにカエデの木々が植えられており、「もみじのトンネル」として知られています。特に秋には、紅葉が美しい景観を作り出し、多くの観光客を魅了しています。

バス路線と利便性

市原駅周辺には、京都バスの路線が複数運行しています。「市原駅前」停留所と「市原」停留所があり、それぞれ異なる方面へのアクセスを提供しています。

「市原駅前」停留所は、出町柳方面や鞍馬・貴船方面への路線が発着します。一方、「市原」停留所は、静原方面や国際会館方面への路線が多く利用されています。これらのバス路線によって、市原駅からのアクセスは非常に便利になっています。

隣の駅

叡山電鉄鞍馬線
二軒茶屋駅 (E13)
* 二ノ瀬駅 (E15)

市原駅は、歴史と自然、そして現代的な生活環境が融合した、魅力的な場所です。叡山電鉄鞍馬線を利用して、ぜひ訪れてみてください。

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