幸福実現党

幸福実現党について

幸福実現党（こうふくじつげんとう、英: The Happiness Realization Party、略称HRP）は、2009年に設立された日本の宗教政党です。母体は宗教団体である「幸福の科学」であり、党の理念は宗教と政治が補完し合う「宗教立国」を目指していることにあります。

基本理念と政策

党の創立者であり総裁の大川隆法は、党の政策形成に「霊言」を活用することが特徴的です。特に外交政策においては、各国の首脳の守護霊から得た「本音」を国際世論に働きかけることを行っています。幸福実現党は特に、右派・保守的な立場を取り、「小さな政府」「国防強化」「憲法9条の改正」「南京事件・慰安婦問題の否定」など、発言力を持っています。また、LGBTQの権利拡大には否定的な立場をとっています。

新型コロナウイルス感染症（COVID-19）の流行に際しては、ウイルスが中国の生物兵器であると主張し、ワクチン接種証明書には反対する立場を取っていました。2022年のロシアによるウクライナ侵攻に際しても、ロシア側に同調する姿勢をみせ、ウクライナのゼレンスキー大統領を批判しました。

選挙の歴史

幸福実現党は設立以来、国政選挙に8回、地方選挙には数回候補者を擁立しましたが、国会議員の当選はまだ達成できていません。2009年の衆院選では候補者337人を立て、46万票を獲得したものの、全員が落選しました。2010年には初めて国会に議席を持った期間がありましたが、その後再び議席を失いました。2022年の参院選においては、約15万票にとどまる結果に終わりました。

地方選挙では一定の成果を上げており、2023年では52名の市町村議会議員を擁立しています。

組織と役員

2009年には都内に党本部を設け、2012年には現在の幸福の科学のユートピア推進活動館に移転しました。2021年時点での党員は約22万人、年間の収入は約11億円です。収入の内訳は、党費や会費が主なものとなっています。入党は18歳以上の賛同者が行えており、定められた党費を支払うことで党員資格を得られます。

教義と日本観

「幸福の科学」の教えにおいては、日本は至高神である大川隆法が肉体を持って現れた国とされ、政党活動を通じて世界のリーダーとなることが掲げられています。この信念は強いナショナリズムを伴っています。保守的な姿勢として、北朝鮮や中国との対決を強調し、国内の治安維持や社会的価値観の保持を主張しています。

SNSと動画配信

幸福実現党は、YouTubeなどのSNSを駆使してメッセージを発信しています。特に北朝鮮、中国に関する動画や、信者でない人々も巻き込む形での活動が注目を集めています。アメリカの保守派とも連携を深めつつあり、その政治的正当性を高めるための努力を続けています。

結論

総じて、幸福実現党は日本の宗教団体をバックボーンに持ちながら、保守的な政治活動を展開しています。初期の頃の国政選挙での落選続きから、一部の地方選挙での年ごとの当選者数が増加している現状は、政党としての存在感を確立しつつあることを示しています。

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