広厳寺

広厳寺の概要

広厳寺（こうごんじ）は、兵庫県神戸市中央区楠町七丁目にある臨済宗の仏教寺院であり、別名として知られる「楠寺」や「廣嚴寺」もあります。歴史あるこの寺院は、多くの信者にとって重要な精神的拠り所となっています。

歴史

広厳寺は元徳元年（1329年）、後醍醐天皇の勅願に基づき明極楚俊禅師によって開山されました。寺伝によると、当初は七堂伽藍が整い、子坊が13もあったとされています。寺の境内は広大で、4,000平米にも及んだとされています。

建武3年（1336年）5月、著名な武将楠木正成が当寺を訪れ、明極禅師との問答を通じて深い悟りを得ることができたとされています。この聖域での体験は、湊川の戦いに臨む際の彼の精神的な支えとなりました。ただし、『明極和尚行状録』には後年の偽書説も存在し、歴史的事実との不一致が指摘されています。一方、『大清和尚語録』によれば、赤松範資が楠木正成戦死の翌年に建立し、さらにその子である光範が落成させたともされています。

延宝年間には、千巌宗般が荒廃していた寺を再建しました。彼は楠木正成を崇拝しており、徳川光圀も楠公の墓碑建立に尽力しました。『摂津名所図会』には、「楠公の一族十三人、士卒六十余人、この寺に入りて、建武三年五月二十五日戦死す」といった記述が残されています。

光圀によって建立された「嗚呼忠臣楠子之墓」の石碑は、現在の湊川神社内に所在しています。この神社は1869年に最終的に境内として確定されました。広厳寺は戦災や震災により何度も被害を受けていますが、現在の本堂は2015年に完成した近代的なもので、イベントや音楽ライブも行える多目的ホール「神戸ラピスホール」としても活用されています。

交通アクセス

広厳寺へは、神戸市営地下鉄山手線を利用し「大倉山駅」で下車後、徒歩およそ3分でアクセスできます。

札所本尊

十一面観音が本尊であり、第二次世界大戦で被災していますが、現在も多くの参拝者が訪れています。

周辺寺社

広厳寺の周辺には、以下のような寺社や施設があります。これにより、地域の宗教観や文化の深さを感じることができるでしょう。

• - 神戸仏教会館（境内）
• - 大悲山 成覚院 安養寺
• - 八宮神社
• - 出雲大社神戸分祠
• - 湊川神社
• - 大倉山報恩寺（浄土真宗本願寺派）
• - 教法寺（本門佛立宗）
• - 正念寺（本願寺派）

周辺施設

また、周辺には大倉山公園や神戸大学付属病院、神戸市立中央図書館もあり、訪れる方にとって便利な立地となっています。大倉山駅へのアクセスも良好で、観光や散策に適した場所です。

まとめ

広厳寺はその歴史・文化的背景から、訪れた人々に深い感銘を与えるスポットです。また、周辺の歴史的スポットとの組み合わせで、より豊かな体験ができるでしょう。

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