御来屋駅

御来屋駅について

御来屋駅（みくりやえき）は、鳥取県西伯郡大山町西坪にある、JR西日本の山陰本線沿いの駅です。大山町を代表する駅であり、その駅舎は1902年に開通して以来のもので、山陰地方で最も古い駅舎として登録有形文化財にも認定されています。

歴史

御来屋駅は、1902年11月1日に官設鉄道の終着駅として開設され、当初は米子駅と境駅（現・境港駅）を結ぶ路線の一部としてスタートしました。1903年には八橋駅（現在の浦安駅）までの延伸が行われ、途中駅となりました。その後、1909年には線路名称が制定されて山陰本線に所属することになります。

1962年には貨物の取扱が廃止され、1972年には荷物の取扱も終了し、無人駅の域に移行しました。1987年には国鉄の分割民営化に伴いJR西日本の駅となり、2016年には駅本屋や旅客上屋が国の登録有形文化財として登録されました。

駅が境港と結ぶ開通区間の終着駅として設置された背景には、周辺の地形が平坦であったことや、付近に陸軍の施設があったことがポイントです。大山周辺は古くから牧畜が盛んであったため、この地域特性が駅の設置に影響を与えています。

駅名について

御来屋駅が属する大山町御来屋には、名和駅という別の駅が存在します。1902年の開業当初、周辺の官設鉄道駅は米子駅・淀江駅・御来屋駅の3つのみと限られていて、御来屋宿にちなんだ名付けが行われた経緯があります。御来屋宿は現在の御来屋町にあたりますが、実際には駅は西伯郡光徳村大字西坪に位置しており、名前には少々の混乱が生じることもあります。

駅の構造

御来屋駅は、単式および島式ホームからなる複合型の地上駅です。ホームは3線を有し、列車の交換や待避が可能です。駐車場側の1番線には駅舎が隣接し、2・3番線へは跨線橋を通じてアクセスできます。1902年以来の歴史を持つ木造駅舎は、2002年に駅舎の整備が行われ、駅の内部には日本の鉄道の歴史に関する展示や小荷物運賃表の掲示が行われてきました。

かつて駅事務室があった空間は、大山恵みの里公社によって「みくりや市」として利用されましたが、2023年には閉店することとなりました。駅は米子駅管理の無人駅として機能しており、1番線は上下本線、2・3番線は副本線として利用されています。2番線は鳥取方面への発車ができない下り専用のホームです。

利用状況と周辺環境

駅周辺には大山町役場や琴浦大山警察署の駐在所、御来屋郵便局、さらには金融機関も立地しています。また、国道9号や県道、海岸展望所も近く、アクセスの良い地域です。バス路線も発達しており、駅から少し歩いた先には御来屋駅東口バス停が設けられています。駅の利用状況は比較的安定しており、大山町の地域振興にも寄与する存在です。駅は今後も文化財としての価値を保ちながら、地域に根付いた生活の一部として重要な役割を果たしていくことでしょう。

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