心のこり

細川たかしのデビューシングル『心のこり』

1975年4月1日にリリースされた細川たかしのデビューシングル『心のこり』は、瞬く間に日本の音楽シーンで注目を集めました。この曲は、作詞をなかにし礼、作曲を中村泰士が手掛けています。冒頭の歌詞「私バカよね、おバカさんよね…」は多くの人に知られており、デビュー曲としての特徴的な印象を与えています。

元々は曲名が「私バカよね」とされる予定でしたが、発売日がエイプリル・フールだったことや、新人のデビュー作としての意味合いを考慮された結果、タイトルは「心のこり」に変更されました。この名称はコロムビアの泉明良ディレクターが歌詞を口ずさむうちにふと閃いたもので、実際の歌詞には登場しないフレーズとなっています。

デビュー曲の候補は約10曲あり、すべての楽曲がレコーディングされた後、会議で最終的に選ばれたのがこの「心のこり」でした。このシングルは、オリコンチャートで1位を獲得し、発売からわずか3ヶ月で80万枚を超える売上を達成しました。また、この年の年末には、岩崎宏美の「ロマンス」と新人賞を競い、第17回日本レコード大賞で最優秀新人賞を受賞しました。

細川は、クラブ歌手として活動していた期間「札幌の森進一」と謳われるほどの存在でしたが、この曲でのデビュー以降は給料が大幅に減少し、自身の苦境を冗談交じりに語っています。また、故郷である真狩村には、自身の銅像が設置され、その足元に地方公共団体が賽銭箱を置いたというエピソードも残っています。

さらに、メロディーはニール・セダカの「恋の日記」に似ているとも言われ、音楽的な繋がりについても話題にされました。1975年の大晦日には、第26回NHK紅白歌合戦に出演し、初の白組トップバッターとしてこの曲を披露しました。

収録曲

• - 心のこり (3分35秒)

- 作詞：なかにし礼／作曲：中村泰士／編曲：あかのたちお

• - 泣きぐせ (3分23秒)

- 作詞：たかたかし／作曲：森田公一／編曲：竜崎孝路

記録達成への道

この楽曲はオリコンシングルチャートの10位に初めてランクされ、その後9位、7位、5位、4位と順位を上げついには1位に達しました。その後2位、6位、8位と順位が下がったものの、オリコンで1位から10位まで全ての順位にランクインするという記録を打ち立てました。この快挙は、1968年にサイモン&ガーファンクルの「サウンド・オブ・サイレンス」以来の達成です。後にSMAPの「世界に一つだけの花」が同様の記録を達成することになります。

カバー

この曲は他のアーティストにカバーされており、石川さゆりのアルバム『あなたの私』(1975年)にも収録されています。

関連項目

• - 1975年の音楽

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