性助入道親王

性助入道親王（しょうじょ にゅうどうしんのう）は、宝治元年（1247年）に後嵯峨天皇の第六皇子として生まれ、鎌倉時代に活躍した僧侶です。母は従一位・太政大臣を務めた三条公房の娘、御匣殿です。

出家前の諱は省仁親王（さだひと しんのう）といいました。性助法親王と呼ばれることも多いですが、親王宣下は出家前に受けているため、入道親王と呼ぶのがより正確です。

仁和寺においては第十一世の門跡を務め、後中御室（のちのなかのおむろ）と尊称されました。また、甘露王院宮（かんろおういんのみや）とも呼ばれました。歌人としても才能を発揮し、その作品は『続古今和歌集』などの歌集に収録されています。

また、後深草院二条が著した随筆『とはずがたり』に登場する「有明の月」と呼ばれる人物は、この性助入道親王がモデルの一人であると考えられています。『とはずがたり』は、後深草院二条が自身の恋愛遍歴や宮廷生活を描いたもので、その中で「有明の月」は魅力的な人物として描かれています。性助入道親王の歌人としての才能や、その人となりが、『とはずがたり』の作者である後深草院二条に影響を与えたと考えられています。

性助入道親王は、弘安5年（1283年）に36歳という若さで亡くなりましたが、歌人、僧侶として鎌倉時代の文化に足跡を残しました。

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