恋する惑星

映画『恋する惑星』について

『恋する惑星（原題：重慶森林、英題：Chungking Express）』は、1994年に公開された香港映画で、著名な監督ウォン・カーウァイによって制作されました。この作品は、香港の九龍に位置する重慶大厦を舞台に、恋と失恋を描いた独特のスタイルを持った作品です。映画は、ウォン・カーウァイと彼の盟友ジェフ・ラウが設立した製作会社、ジェットトーンの最初の公開作品でもあります。

作品の概要

当初、映画は3つのエピソードを描く予定だったものの、最終的には2つのストーリーに絞られました。なお、未使用のエピソードは後に『天使の涙』に転用されています。この映画は、香港電影金像奨で最優秀作品賞を受賞し、トニー・レオンはその演技で最優秀主演男優賞に輝きました。また、金馬奨でも同様に受賞歴があります。ウォン・カーウァイは当時まだ日本ではあまり知られていなかったにもかかわらず、この作品を通じて名を広め、さらに金城武やフェイ・ウォンも多くの観客に知られるようになりました。

舞台となった重慶大厦やエスカレーター周辺は、訪れる日本人観光客にとっての人気スポットとなっています。そして、映画はクエンティン・タランティーノによって高く評価され、アメリカでの配給権も獲得しました。

ストーリー

この映画のストーリーは、切ない恋愛を描いています。モウ（金城武）という刑事は、恋人との別れを経験し、傷心の中で偶然ドラッグ・ディーラーの女性（ブリジット・リン）と出会います。一方、警官663号（トニー・レオン）は、恋人とのすれ違いが続く日々を送っており、飲食店の店員フェイ（フェイ・ウォン）と新たな出会いを果たします。彼らの出会いは、意外な展開を生むこととなります。恋と喪失感が交錯するなかで、登場人物たちはそれぞれの道を模索し、次第にお互いの大切さに気付いていく過程が描かれています。

キャスト

映画のキャストは以下の通りです。

• - 警官663号：トニー・レオン
• - フェイ：フェイ・ウォン
• - 謎の金髪女：ブリジット・リン
• - モウ：金城武
• - スチュワーデス：チャウ・カーリン

スタッフ

この映画の監督を務めたのはウォン・カーウァイで、脚本も手がけました。製作はジェフ・ラウが担当し、音楽にはフランキー・チェンなどが関わっています。特に挿入曲として使用された「夢中人」は、フェイ・ウォンが歌うクランベリーズの「ドリームス」のカバーであり、作品の雰囲気を一層引き立てています。

日本での上映

『恋する惑星』は、1995年に日本で初上映され、その後も多くのファンに親しまれています。2022年には4Kレストア版が公開され、現代の観客にも新たな魅力を提供しています。今やこの映画は、ウォン・カーウァイの代表作の一つとして、日本国内外で評価されています。

この映画に興味がある方は、ぜひ観賞してみてください。恋愛の不思議さや、人生の切なさを改めて感じることができることでしょう。

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