愛知ドビー

愛知ドビー株式会社

愛知ドビー株式会社は、愛知県名古屋市中川区宗円町に本社を構える鋳造メーカーです。1936年の創業以来、時代の変化に対応しながら事業を転換し、現在は鋳物ホーロー鍋「バーミキュラ」を中心に、その高品質な製品で国内外から高い評価を得ています。

創業から現在まで

同社は1936年（昭和11年）に土方鋳造所として創業しました。当時の愛知県は繊維産業が盛んであり、同社は繊維産業を支えるドビー織機を製造する会社として設立されました。社名の「愛知ドビー」は、このドビー織機に由来します。

しかし、繊維産業の衰退とともにドビー織機の需要が低下すると、同社は事業の転換を余儀なくされます。その後は、船舶や建設機械向けの鋳造部品製造、機械加工の下請けへと移行しました。

2001年（平成13年）には、海外の下請け工場との競争激化により業績が悪化していた家業を立て直すため、現社長である土方邦裕氏が入社。2006年（平成18年）には、弟である土方智晴氏も副社長として経営に参画しました。

バーミキュラの誕生

2007年（平成19年）、智晴氏の提案により、新たな挑戦として鋳物ホーロー鍋「バーミキュラ」の開発がスタートしました。約3年の開発期間を経て、2010年（平成22年）2月、ついにバーミキュラが発売され、大きな話題を呼びました。

バーミキュラは、世界初の無水調理が可能な鋳物ホーロー鍋として知られています。その最大の特徴は、鍋と蓋の隙間を0.01mm以下に抑えた高い密閉性です。この密閉性により、食材の水分だけで調理する「無水調理」を実現し、素材本来の旨味や栄養を最大限に引き出すことができます。バーミキュラの名前の由来は、鋳鉄の特殊材料であるコンパクテッド・バーミキュラからきています。

現在、愛知ドビーはバーミキュラとその派生商品であるバーミキュラ ライスポットの製造・販売を主力事業としています。

さらなる発展

愛知ドビーは、その革新的な取り組みが評価され、2013年（平成25年）12月には「がんばる中小企業・小規模事業者300社」に選定されました。2019年（令和元年）12月には、創業の地である名古屋市の中川運河沿いに、バーミキュラブランドの体験型複合施設「バーミキュラ ビレッジ」をオープンし、新たな顧客体験を提供しています。

沿革

1936年（昭和11年）11月1日 - 土方鋳造所として創業。
1947年（昭和22年）5月 - 有限会社愛知製作所を設立。
1951年（昭和26年）7月 - 愛知製作株式会社に商号を変更。
1965年（昭和40年）5月 - 愛知ドビー株式会社に商号を変更。
2008年（平成20年） - ISO 9001認証を取得。
2019年（令和元年）12月3日 - 体験型複合施設「バーミキュラ ビレッジ」をオープン。

事業所

本社・本社工場（愛知県名古屋市中川区宗円町）
第2工場（愛知県名古屋市中川区二女子町）

メディア掲載

日経スペシャル ガイアの夜明け（テレビ東京。バーミキュラ開発過程を随時取材）
日経スペシャル 村上龍のカンブリア宮殿 世界を驚かせた日本製の鋳物ホーロー鍋バーミキュラ ～倒産寸前の町工場 大逆転の秘密～（2018年2月1日、テレビ東京）
逆転人生（2019年9月16日、NHK）

愛知ドビーは、時代の変化に対応しながら、常に新しい価値を創造し続ける企業です。その挑戦は、今後も多くの人々に感動と驚きを与えてくれることでしょう。

外部リンク

公式ウェブサイト
* VermicularVillage

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