懇話会

懇話会の概要

懇話会（こんわかい）は、大日本帝国憲法下における貴族院の会派の一つであり、通称は「勤倹尚武連」と呼ばれました。後に「庚子会」と改称され、明治33年（1900年）から明治34年（1901年）12月まで存続しました。

歴史

前史

懇話会の結成は、1910年（明治23年）に帝国議会が設けられた後すぐのことで、谷干城、曾我祐準、鳥尾小弥太、山川浩、島津忠済といった人物によって組織されました。この期間、懇話会は50人を超えるメンバーを抱え、初期の議会において重要な存在となりました。特に1891年には月曜会という別の会派が設立され、財政問題に関与するも、懇話会が活動を開始するころには、月曜会は活動を収束させていました。

懇話会の正式な発足時期は不明ですが、1892年の建議案、すなわち「勤倹尚武の建議案」により谷が提案した内容にちなんで「勤倹尚武連」と呼ばれました。この提案は、政府への批判を伴いながらも、貴族院の政策ディスカッションを先導するものでした。

有力会派への成長

懇話会は、1892年に提出した選挙に関する抗議文書が可決されたことを皮切りに、その存在感を増します。特に民法や商法の施行延期を実現させることで、政府と衆議院との間で対等な立場を築くことに成功しました。明治29年に行われた政府の外交政策に対して懇話会が唱えた強硬姿勢は、後の大隈重信を中心とする政党に対する支持を得ることにつながりました。

この時期、懇話会は三曜会と共に貴族院の主力会派として名を馳せる一方、民権運動を支持する派閥に対しても一定の非敵対的態度を保ちました。しかし、その背景には、少数精鋭である一方、個々の意見が優先されるため内部の連携が弱いという欠点も存在しました。

衰退の兆し

明治末期に入ると、懇話会の勢力は徐々に衰退していきます。特に、選挙団体の尚友会が組織を拡大したことで、懇話会は合計18人しか議席を確保できない状況に陥りました。この結果、有力議員が他会派に流れることも増え、懇話会は影響力を失っていきました。

最終的には、明治34年には「庚子会」と名乗った主流派が離脱し、新たな運動を模索しますが、研究会の影響力が強まり、懇話会の存続が難しくなりました。

解散とその後

1899年以降、懇話会は内部の分裂と外部の圧力により衰退し続けます。そして1901年に三曜会と合併し、新たに「土曜会」として再出発するに至ります。この過程で、懇話会の存在は強化されることなく、最終的には大政党に取って代わられる形で、その役割を終えました。

このように、懇話会はその設立から衰退に至るまで、多くの政治的課題や内部的な葛藤を抱えた会派であったと言えます。それは日本の政治史の中で重要な一コマを形成しています。

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