島津忠済

島津忠済（しまづ ただなり）は、1855年（安政2年）に薩摩藩で生まれ、1915年（大正4年）に没した日本の華族です。玉里島津家の二代目当主であり、公爵の爵位を有していました。幼名は真之助、諱は久済を経て忠済と改めました。

生い立ちと家督相続

島津忠済は、薩摩藩主・島津久光の七男として誕生しました。母は側室の山崎武良子です。異母兄に島津忠義がいます。1888年（明治21年）に父・久光が亡くなると、玉里島津家の家督を相続し、公爵を襲爵しました。

公爵としての活動

帝国議会開設に伴い、1890年（明治23年）に貴族院公爵議員に就任しました。以後、貴族院議員として国政に関与しました。また、宮内省宗秩寮審議官、麝香間祗候などの要職も務め、皇室にも貢献しました。これらの役職を通じて、明治期の日本の政治と社会に大きな影響を与えた人物として知られています。

アサガオ研究家としての側面

島津忠済は、アサガオの研究家としても知られており、園芸にも深い関心を持っていました。当時の記録は少ないものの、趣味の領域を超えた熱心な研究ぶりは、人々に知られていました。

栄典

島津忠済は、その功績により数々の栄典を授与されています。以下に主な栄典を列挙します。

1884年（明治17年）10月10日 - 従五位
1888年（明治21年）1月25日 - 正五位
1889年（明治22年）6月26日 - 従四位
1891年（明治24年）6月16日 - 正四位
1895年（明治28年）6月29日 - 従三位
1899年（明治32年）6月30日 - 正三位
1903年（明治36年）6月30日 - 従二位
1906年（明治39年）4月1日 - 勲四等旭日小綬章
1911年（明治44年）7月10日 - 正二位
1914年（大正3年）6月18日 - 勲三等瑞宝章
1915年（大正4年）8月19日 - 従一位勲一等瑞宝章

この他にも、多くの木杯や銀杯、金杯が贈られています。

家族

島津忠済は、竹内田鶴子と結婚し、多くの子をもうけました。

妻：竹内田鶴子（竹内治則の次女、竹内惟忠の妹）
長女：薫子（小松輝久夫人）
次女：肅子（島津康久夫人）
長男：島津忠承
次男：島津久大
三女：量子（久邇邦久夫人）

島津忠済は、政治家、研究者として多方面で活躍し、明治時代の日本を支えた人物の一人と言えるでしょう。

参考資料

『私の履歴書 第14集』（大山康晴　塚田公太　小島政二郎　徳川夢声　島津忠承　富安風生　高川格）日本経済新聞社。
* 衆議院・参議院編『議会制度百年史 - 貴族院・参議院議員名鑑』大蔵省印刷局、1990年。

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