戸畑祇園大山笠

戸畑祇園大山笠

戸畑祇園大山笠（とばたぎおんおおやまがさ）は、福岡県北九州市戸畑区で毎年7月の第4土曜日を挟む3日間にわたって開催される伝統的な祭りです。この祭りは博多祇園山笠や小倉祇園太鼓と並ぶ福岡県の夏の三大祭りの一つとして広く知られています。特に大競演会には多くの観衆が訪れ、国の重要無形民俗文化財に指定されています。

歴史

戸畑祇園大山笠の歴史は、江戸時代の1802年（享和2年）に遡ります。当時、戸畑地区で疫病が流行し、村人たちは神社に祈り捧げ、その成功を祝うべく1803年（享和3年）に須賀大神への感謝の意味を込めて初めての山笠を奉納したことで祭りが始まったとされています。さらに、太平洋戦争の影響で1938年（昭和13年）から1946年（昭和21年）まで中断されましたが、1947年（昭和22年）には再び開催されることとなりました。

その後も祭りは進化し、1960年（昭和35年）には中原小若山笠が新設されました。1972年には戸畑祇園大山笠振興会が発足し、文化財の保存活動や運営が行われるようになりました。1980年（昭和55年）には国の重要無形民俗文化財に指定されました。また、2016年にはユネスコの無形文化遺産としても登録され、国際的な評価を受けています。

しかし近年では、関係者の問題や新型コロナウイルスの影響で様々な困難もありました。それでも、戸畑祇園大山笠は地域の伝統を守り続けています。

祭りの概要

この祭りは戸畑区内の4つの地区（東大山笠、西大山笠、中原大山笠、天籟寺大山笠）から成り、それぞれの地区には神社に奉納される大山笠と小若山笠があります。大山笠は高校生以上の大人が担ぎ、小若山笠は中学生が担ぎます。

戸畑祇園大山笠の特徴は、昼と夜で異なる姿を見せることです。昼間は「幟山」として彩られ、夜には「提灯山笠」に変わります。昼の幟山では、水引幕や旗で装飾された山笠が飾られ、各地区に特有の飾りが施されています。夜になると、幟は取り外され、高さ約10メートルの提灯山笠が現れます。

この提灯山笠は合計309個の提灯を灯し、町を練り歩きます。すべての提灯にはろうそくが灯されており、山が揺れた際にはその火を消すために山方が処理を行います。競演会では、60〜100人の参加者が山笠を担ぎ、各地区の威信が掛けられます。

祭りの行程

戸畑祇園大山笠は毎年7月第4週の金曜日から日曜日にかけて行われます。

• - 金曜日: 祭典が飛幡八幡宮、菅原神社、中原八幡宮で執り行われます。
• - 土曜日: 13時頃、各大山笠と小若山笠が飛幡八幡宮に集合し、神事「お汐井汲み」を行います。18時頃からは競演会が始まり、昼は幟山、夜は提灯山笠として運行されます。
• - 日曜日: 最終日は、各地区で昼間は幟山、夜は提灯山笠が運行され、フィナーレを迎えます。

まとめ

戸畑祇園大山笠は地域の歴史と伝統が詰まった重要な祭りであり、多くの人々がその魅力に引き寄せられます。圧巻の山笠の勇壮さ、地域の人々の熱意が融合したこの祭りは、参加者にとって特別な体験を提供します。地域の絆を強める祭りとして、これからもその伝統を守り続けていくことでしょう。

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