手柄山

手柄山の歴史と変遷

兵庫県姫路市の中心街南西に位置する手柄山は、標高約50mの小山です。この山は、第二次世界大戦後に手柄山中央公園として整備され、市民の憩いの場となりました。山の南側を市道が東西に横断しています。

古代から現代へ

手柄山の歴史は古く、『播磨国風土記』には「手苅丘」として登場します。この名前の由来は、神々が草を手で刈っていた、あるいは人々が鎌を使わず手で稲刈りをしていたという伝承に由来するとされています。江戸時代には、刀鍛冶の一派「手柄山氏」がこの地を拠点としていました。

戦後の復興と観光開発

1956年には、太平洋戦争の戦没者を慰霊する「太平洋戦全国戦災都市空爆死没者慰霊塔」が建立されました。この慰霊塔の建立を推進したのは、当時の姫路市長である石見元秀氏です。彼はまた、手柄山の観光開発にも尽力しました。

1966年には、手柄山で「姫路大博覧会」が開催され、この博覧会を機に、西洋の古城を模したパビリオンや遊園地、図書館、水族館、温室植物園、展望台、陸上競技場などが整備されました。また、市中心部からのアクセスとして姫路市営モノレールが開業しましたが、博覧会終了後は利用者が減少し、1974年に休止、1979年に廃止されました。

現在の手柄山

現在、手柄山は文化施設が市内の他の場所に移転したため、かつてのような文化拠点としての集中度は薄れています。しかし、スポーツ施設を中心に、姫路市文化ゾーンの一翼を担っています。姫路市立図書館は、本館が姫路城内に移転したため取り壊されましたが、手柄山近辺に手柄分館が新設されています。現在も西洋古城風の建物が残っており、慰霊塔や展望台とともに独特の景観を作り出しています。

1950年代から開発された手柄山公園は、一部施設が老朽化していたため、水族館（2008年～2011年）や姫路球場（2011年～2014年）が改修工事を行いました。また、回転展望台の喫茶店は2018年3月に閉店しました。

手柄山へのアクセス

手柄山中央公園は、南北・東西ともに約750mの広さがあり、徒歩やバスでアクセスできます。

鉄道

JR姫路駅から南西へ徒歩約2km
山陽電気鉄道本線手柄駅から西へ徒歩約1km

路線バス

JR姫路駅北口から神姫バス26・27・28・29系統
JR姫路駅南口から神姫バス95・96・97系統
土曜・休日には、手柄山ループバス（97系統）が運行

各施設への最寄りのバス停

中央体育館・姫路球場・緑の相談所：「中央体育館・姫路球場前」バス停
陸上競技場：「中地」バス停
温室植物園・平和資料館・県立武道館：「武道館・植物園前」バス停
文化センター・水族館：「姫路市文化センター前」バス停
市民プール・手柄山遊園：「姫路市民プール前」バス停

幹線道路

国道2号または十二所線から兵庫県道62号姫路港線を南へ約2km
姫路バイパス中地ランプから北へ約1km

手柄山周辺

生矢神社（隣接）
姫路市立総合スポーツ会館（姫路球場の西方約0.5km）
姫路市営モノレール廃線跡
冑山神社（北方約1km）
船場川／水尾川
姫路市中央卸売市場
* イオンタウン姫路

手柄山は、歴史と自然、文化とスポーツが融合した、姫路市民にとってかけがえのない場所です。

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