斬り抜ける

斬り抜ける（きりぬける）

『斬り抜ける』は、1974年10月3日から1975年2月13日までTBS系で放送された時代劇です。朝日放送（ABC）と松竹株式会社が制作しました。全20話。

あらすじ

物語の主人公は、作州津山松平藩の藩士・楢井俊平。彼は藩命により、友であり同僚の森千之助を殺害します。しかし、その理由は、藩主・松平丹波守が千之助に「妻の菊を妾に差し出せ」と命じ、それを千之助が拒否したためでした。

藩の非道を知った俊平は、菊とその息子・太一郎を連れて、藩主の不正を幕府に訴えるため江戸へ向かいます。一方、丹波守は俊平を不義者として、千之助の父である嘉兵衛と異母弟の伝八郎に俊平と菊の殺害を命じます。そして、二人の手配書である“松平廻状”を松平姓を名乗る各藩に出し、追っ手を差し向けます。

キャスト

楢井俊平：近藤正臣
森菊：和泉雅子（第1 - 14話）
森太一郎：岡本崇
森伝八郎：岸田森
よろずやの弥吉：火野正平
道家鋭三郎：志垣太郎（第1 - 7、9 - 12話）
おしん：田坂都（第1 - 3、5 - 7、9 - 12話）
松平丹波守：菅貫太郎（第1、15、20話）
森嘉兵衛：佐藤慶（第1 - 16話）
語り：江守徹（ナレーション）

スタッフ

作：池田雅延
主題歌：「この愛に生きて」（歌：ザ・ブレッスン・フォー）
作詞：悠木圭子
作曲：鈴木淳
編曲：京建輔
プロデューサー：山内久司、杉本宏（朝日放送）・佐相惣一郎（松竹）
音楽：鈴木淳
殺陣：楠本栄一、美山晋八
制作協力：京都映画株式会社
制作：朝日放送、松竹株式会社

ソフト化

2004年7月、キングレコードからDVDソフトが発売されました（全6枚、DVD-BOXはなし）。

再放送

本放送終了後、数多くの放送局で再放送されました。

備考

本作の特徴として、刀の扱いにおけるリアリティの追求が挙げられます。相手を切った刀は切れ味が悪くなるという設定で、連続して切れるのは二人までとされていました。刀が折れたり、他の武器を使う描写もありましたが、第6話以降はこの設定はなくなりました。

『斬り抜ける』は、従来の時代劇とは一線を画す、リアリティを追求した作品として、一部で評価されています。勧善懲悪ではない、武士の苦悩を描いた作品です。

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