新宇宙戦艦ヤマト

新宇宙戦艦ヤマト

『新宇宙戦艦ヤマト』は、松本零士による漫画で、1990年代以降に発表された『宇宙戦艦ヤマトシリーズ』の続編の一つです。この作品は、2000年4月号から小学館の月刊誌『コミックGOTTA』にて連載が開始されましたが、2001年7月号での休刊に伴い、そのまま連載が終了しました。

あらすじ

物語は、「宇宙戦艦ヤマト」が地球の危機を救ってから1000年後の未来を舞台にしています。人類は長い間、高等生命体同士の争いがないと信じ、自らの生存圏を銀河全域に広げていました。しかし、大型戦闘艦の時代は幕を閉じ、ヤマトの記憶も薄れていきました。

そんなある日、突然、多数の正体不明の移動性ブラックホールが出現し、古代進32世の乗る宇宙艦「雪風」などの船団がその影響を受けて消失します。唯一、「雪風」がワープして地球へ帰還するものの、乗員は全員消えてしまいました。そして、これが謎の生命体による地球侵略の始まりに過ぎないことが明らかになります。

地球軍の指導者たちは、この事態の重大さを認識していませんが、1000年前のヤマト乗組員の子孫たちには「ヤマトへ来たれ」というメッセージが届きます。実はヤマトは、この1000年に一度の危機に備え、眠りについていたのです。やがて、その時が来たことで、伝説の宇宙戦艦ヤマトが再びよみがえります。物語は西暦3199年に展開します。

作品解説

旧シリーズとの関連性

本作におけるストーリーの構成は、松本零士の独特な発想に基づいており、従来の『宇宙戦艦ヤマトシリーズ』に直接的な関連があるわけではありません。作中の地球防衛軍司令官は、オリジナルのヤマトの結末をほのめかすセリフを発しますが、詳細に説明されることはありません。この作品にはかつてのヤマトの乗組員の子孫たちが登場し、その中には沖田艦長の息子も含まれています。

アニメ化構想

連載を開始する前から、この作品を原作としたアニメ製作の構想があったことが知られています。しかし、その具体的な展開は松本が描く漫画とは異なるものであり、結局はOVA『大YAMATO零号』に変更されることになりました。

新宇宙戦艦ヤマト（グレートヤマト）

「グレートヤマト」は北極の大氷底海で1000年間の眠りから目を覚まし、数々の改装を施してかつてのヤマトよりも遥かに巨大な艦船となりました。この艦は超硬化テクタイト板で装甲されており、地球上からのビーム兵器も全く効かない堅固さを誇ります。また、武装も充実しており、波動砲などの未知のシステムが導入されています。

書誌情報

この作品の単行本は全2巻で、最終話には書き下ろしエピソードが追加されています。また、イメージアルバム『ETERNAL EDITION File No.0 交響組曲 新 宇宙戦艦ヤマト』も制作され、多くの楽曲が収められていますが、権利問題の影響で一部の復刻が行われていない場合もあります。

結論

『新宇宙戦艦ヤマト』は、壮大な宇宙を舞台にした冒険物語であり、過去の作品との繋がりを持ちながらも独自のストーリー展開を見せています。時代を超えた伝説の再生を描いており、宇宙戦艦ヤマトのファンには必見の作品です。

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