新群書類従

新群書類従について



新群書類従（しんぐんしょるいじゅう）は、1906年から1908年にかけて国書刊行会によって編纂・刊行された特異な叢書であり、江戸時代に埋もれた珍しい文献や未刊本を集めています。この叢書は、演劇、歌曲、書目、舞踊、狂歌の五つの部門に分けられており、当時の文芸や文化の多様性を伝える重要な資料とされています。

この書籍の発案者である坪内逍遥は、国書刊行会の評議員として、比較的新しい文芸書の刊行を提案しました。興味深いことに、塙保己一が編纂した『群書類従』とは直接の関連性はなく、その名を借りているに過ぎません。しかし、この二つの書物は、日本の文献史において重要な役割を果たしています。新群書類従は、より広範な文芸ジャンルを対象にしており、特に江戸時代の文化を広くカバーしています。

元々、この叢書は全12冊からなる予定でした。第1巻から第6巻までは水谷不倒が編纂し、第7巻から第12巻までは幸田露伴が校訂を担当することが決まっていました。しかし、最終的に刊行されたのは全10冊であり、その構成は当初の計画から変更されました。このように、新群書類従は、当時の実情や編纂者の意向によって形を変えながらも、重要な文献として世に出ました。

この叢書の内容は多岐にわたります。演劇の分野では、当時の戯曲や上演されることが想定された台本が含まれており、特に江戸時代の庶民文化を知る上で貴重な資料です。また、歌曲や舞曲のセクションは、当時流行していた音楽形式や舞踏スタイルを記録しており、音楽史を学ぶ上でも重要な位置を占めています。さらに、狂歌という風刺的な詩形を扱った部分は、江戸時代の人々の価値観や社会状況を反映したものとして、文学的考察の対象となります。

新群書類従は、1976年に第一書房から再刊され、多くの研究者や文化愛好者に再び注目されることとなりました。この再刊によって、江戸時代の文献が現代においても評価される機会が増え、その内容が広く知られるようになりました。

この叢書を通じて、私たちは日本の文芸史や文化の変遷を感じ取ることができます。特に、江戸の時代背景を理解する上で、この文献群は欠かせない存在です。興味ある方は、関連する書籍や文献を手に取ることで、より深い理解を得られることでしょう。さらに、新群書類従の収録内容は、様々な学問分野においての研究材料としても有用であり、現代の学術的な探求にも寄与しています。

脚注



関連項目



外部リンク


もう一度検索

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。