舞曲

舞曲（ぶきょく）とは

舞曲は、舞踏のリズムに合わせた音楽であり、舞踏の演奏時に伴奏として用いられます。また、舞踏の特徴を取り入れた小規模な楽曲も指します。西洋音楽において舞曲は、単独の作品として作られることもあれば、大規模な音楽作品の一部として盛り込まれる場合があります。ただし、バレエ用の音楽は舞踏のための伴奏であるものの、一般には舞曲のカテゴリーには含まれません。

大規模な作品における舞曲

バロック時代の作曲家たちは、複数の舞曲を組み合わせて組曲を構成することが一般的でした。このような形態は、舞曲がひとつの作品として機能することを可能にしました。古典派時代においても、交響曲の第3楽章にメヌエットが使用されることがあり、舞曲の重要性が続きました。しかし、ロマン派以降になると、メヌエットはスケルツォに発展し、舞曲としての機能が薄れていったことが見られます。また、近年の交響曲では、舞曲そのものを省略する傾向が出てきました。

主な舞曲の種類

舞曲には多くの種類があり、それぞれに特徴やリズムがあります。以下は代表的な舞曲のリストです。

• - アルマンド
• - エコセーズ
• - ヴォルテ
• - エスタンピ
• - ガイヤルド
• - ガヴォット
• - クーラント
• - クラコヴィアク
• - クヤヴィアク
• - サラバンド
• - サルタレロ
• - ジグ
• - シチリアーナ
• - シャコンヌ
• - タランテラ
• - タンゴ
• - チャールダーシュ（またはチャルダッシュ）
• - ヴェルブンク
• - ヴェルブンコシュ
• - パスピエ
• - パヴァーヌ
• - バス・ダンス
• - パッサカリア
• - バレ
• - フォリア
• - ブランル
• - ブレー
• - ポルカ
• - ポルスカ
• - ボレロ
• - ポロネーズ
• - マズルカ
• - ミュゼット
• - メヌエット（スケルツォ）
• - リゴドン
• - ワルツ
• - ウィンナワルツ
• - レントラー

主な作曲家と作品

様々な作曲家が舞曲に関する名曲を残しています。以下はその一部です。

• - ブラームス - 『ハンガリー舞曲』
• - ドヴォルザーク - 『スラヴ舞曲』
• - コダーイ - 『ガランタ舞曲』、『マロシュセーク舞曲』
• - ヤナーチェク - 『ラシュスコ舞曲』
• - バルトーク - 『ルーマニア民俗舞曲』
• - 吉松隆 - 『プレイアデス舞曲集』

このように、舞曲はそのリズムと形式によって多様な表現を可能にし、踊りと密接な関係を持つ音楽の重要な一部といえるでしょう。

参考文献

舞曲の歴史やその発展を知る上で、以下の文書も有益です。

• - オルケゾグラフィ - トワノ・アルボによる舞踊指南書（1588/89）
• - テルプシコーレ - ミヒャエル・プレトリウスが編纂した舞曲集（1612）

このような文献も参考にしながら、舞曲の魅力を探求してみてください。

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