日本カー・オブ・ザ・イヤー

日本カー・オブ・ザ・イヤーについて

日本カー・オブ・ザ・イヤー（COTY）は、日本国内で発売される乗用車の中から、最も優れた自動車を選出する賞です。この賞は1980年に始まり、以来毎年、業界や消費者の注目を集めています。本稿では、この賞の選考プロセスや過去の受賞車、そして賞にまつわる興味深いエピソードを紹介します。

概要と選考プロセス

日本カー・オブ・ザ・イヤーは、毎年11月1日から翌年の10月31日までに日本国内で発売された乗用車が対象となります。選考は二段階に分かれており、第一次選考で10車種（通称「10ベスト」）が選ばれ、その中から最終的に「カー・オブ・ザ・イヤー」が決定されます。これらの選考は、日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員会によって行われ、主に自動車雑誌の編集者や評論家から構成されています。

選考委員は最大60名で構成され、各委員は持ち点16点を使用して投票を行います。最も高得点を得た車がイヤーカーとして称えられます。そのため、選考においては車両のコンセプト、デザイン、性能、安全性などが総合的に評価されます。

輸入車の取り扱い

1994年以降、輸入車は国産車と異なる基準で選考されていました。しかし、2002年からは国産車と輸入車が共通の基準で評価されるようになり、公平な選考が実施されています。過去には、輸入車の受賞が少なかったこともありましたが、フォルクスワーゲン・ゴルフVIIが初めて受賞したことをきっかけに、近年では輸入車も注目を集めています。

特別賞の設立

日本カー・オブ・ザ・イヤーでは、カー・オブ・ザ・イヤー以外にも特別賞が授与されます。この特別賞は、「Most Fun賞」「Best Value賞」などがあり、これらの賞は大賞を受賞した車両と同時に受賞することもある他、特別賞に該当車がなかった年もあります。

過去の受賞車両

日本カー・オブ・ザ・イヤーの受賞歴には、多くの有名な車種が含まれています。例えば、1980年にはマツダ・ファミリアが、1981年にはトヨタ・ソアラが受賞しました。2022年には日産・サクラと三菱・eKクロス EVがイヤーカーとなり、この受賞により軽自動車がカー・オブ・ザ・イヤーを獲得する初の例となりました。また、2023年にはトヨタ・プリウスがイヤーカーとして選ばれました。

興味深いエピソード

日本カー・オブ・ザ・イヤーには、多くのエピソードが存在します。1989年のセルシオ受賞時には、トヨタが多くの自動車評論家をドイツに招待し、その影響で選考結果が疑問視されることがありました。また、選考委員が自身の投票に後悔の意を示すなど、業界内での評価の難しさも浮き彫りになっています。また、特定の自動車メーカー（特にトヨタとホンダ）の受賞が集中しているため、他メーカーへの批判や疑念も生じることがあります。

結論

日本カー・オブ・ザ・イヤーは、自動車業界のみならず一般消費者にも影響を与える重要な賞であり、その選考プロセスや結果は常に注目されています。過去に輝かしい軌跡を持つ車両たちや、その背景にあるエピソードは、今後の選考にも大きな影響を与えることでしょう。今後も新たな名車の誕生が期待される中、日本カー・オブ・ザ・イヤーはその役割を果たし続けることが期待されています。

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