日本平動物園

日本平動物園：多様な動物たちと出会える場所

静岡市駿河区池田に位置する日本平動物園は、1969年に開園した歴史ある動物園です。運営は静岡市が行っており、多くの人々に親しまれています。

概要

開園時間は午前9時から午後4時30分まで（入園は午後4時まで）。入園料は大人（高校生以上）が610円、小・中学生が150円ですが、静岡市内に在住または通学する小・中学生は証明書の提示で無料になります。未就学児は無料です。休園日は毎週月曜日（祝日の場合は翌日）と12月29日から翌年1月1日までです。園内には日本一長いローラースライダー（有料）があり、大人も子供も楽しめます。公式サイトでは、飼育員の日常や動物たちの様子を綴った飼育日記も公開されています。2013年には施設全体の老朽化に伴い、全面リニューアルが行われました。

この動物園は、2005年に直立する姿が話題となったレッサーパンダ「風太」が生まれた場所としても有名です。また、敷地内には静岡市有形文化財である旧エンバーソン邸が隣接しており、共通の駐車場を利用できます。旧エンバーソン邸を見学後、動物園に再入場することも可能です。

歴史

日本平動物園は、1965年に静岡市制80周年記念事業として建設構想が発表され、1969年8月1日に開園しました。開園当初は、アジアゾウ（ダンボ）、ベンガルトラ、ヒョウ、ピューマ、ボウシテナガザル、マサイキリンなどの飼育が開始されました。その後も、様々な動物の飼育と繁殖に取り組み、数々の国内初の繁殖成功例を記録しています。

主な出来事

1974年：アメリカオシ、ハイイロキツネザルの国内初繁殖に成功
1975年：キンカジュー（人工保育）、アカガシラエボシドリの国内初繁殖に成功
1976年：ミーアキャット、シロガオオマキザル、パラグアイカイマンの国内初繁殖に成功
1977年：オグロワラビー、アオエリヤケイの国内初繁殖に成功
1980年：レッサーパンダの飼育開始
1982年：マサイキリンの人工保育に国内で初めて成功
1983年：熱帯鳥類館、夜行性動物館が完成
2002年：サイチョウの国内初繁殖に成功
2003年：レッサーパンダ「風太」誕生
2010年：「猛獣館299」オープン
2013年：全面改修しリニューアルオープン

2008年には、ロシアからホッキョクグマ「ロッシー」が迎えられ、その際には「しろくまロッシー債」という住民参加型の債券が発行されるなど、話題を集めました。また、2015年には、姉妹都市であるオマハ市からタヌキ像が寄贈され、園内に設置されています。

主な施設

レッサーパンダ館・ビジターセンター：レッサーパンダの繁殖に力を入れており、様々な角度から観察できます。空中回廊も設置されており、レッサーパンダが頭上を渡る様子を見られます。ビジターセンターでは、動物園の歴史や骨格標本、剥製などが展示されています。
猛獣館299：リニューアルの第一弾としてオープンした施設です。1階はホッキョクグマやゴマフアザラシを展示し、北極圏の生態系を再現しています。2、3階では、ライオン、アムールトラ、ジャガー、ピューマなどのネコ科の猛獣を立体的に観察できます。
フライングメガドーム：国内最大級のフライングケージで、鳥たちが飛び交う様子を間近で見ることができます。池の中にはサル島があり、ジェフロイクモザルが飼育されています。
オランウータン館：2つの屋外放飼場と屋内展示室を備えています。
草食獣舎：バーバリーシープ、アクシスジカ、ワラビーなどが飼育されています。オグロワラビーはベネットアカクビワラビーに交代しています。
夜行性動物館・熱帯鳥類館：斜面に建てられており、1階が夜行性動物館、2階が熱帯鳥類館となっています。夜行性動物館では、昼夜を逆転させてルーセットオオコウモリやツチブタなどが観察できます。熱帯鳥類館では、オニオオハシやサイチョウなど、様々な熱帯の鳥たちを見ることができます。
ふしぎな森の城：旧爬虫類館を改修した施設で、オートチェアに乗って内部を見学できます。動物の着ぐるみを着て遊べるコーナーや、飼育員の仕事を紹介するリトルバックヤードもあります。
爬虫類館：様々な爬虫類が飼育されており、リクガメの回廊やオオアナコンダのプールなど、ユニークな展示方法が特徴です。
ペンギン館：フンボルトペンギンの泳ぐ姿を水中から観察できます。

主な飼育動物

日本平動物園では、アジアゾウ、キリン、ライオン、トラ、レッサーパンダなど、約150種以上の動物たちが飼育されています。

過去に飼育されていた動物

かつては、マサイキリン、ローランドゴリラ、オグロワラビーなどの動物も飼育されていましたが、現在は飼育されていません。特にマサイキリンは、長年飼育されていましたが、2014年に最後の個体が死亡し、飼育が終了しました。ローランドゴリラについては、ブリーディングローンによって上野動物園に移動した個体もいます。

まとめ

日本平動物園は、多様な動物たちとの出会いだけでなく、動物たちの生態や歴史を学べる場所です。リニューアルによってさらに魅力が増し、家族連れや動物好きにとって、訪れる価値のあるスポットとなっています。

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