日本歴史学協会

日本歴史学協会（にほんれきしがくきょうかい）は、1950年に設立された、日本の歴史学に関わる学会および個人研究者によって構成される連合組織です。通称として日歴協とも呼ばれています。

設立の背景

1948年に日本学術会議が設立された当時、日本の歴史学界には、日本史、東洋史、西洋史といった分野別や大学別の学会は存在していました。しかし、歴史学界全体の意思を表明できる組織がなく、日本学術会議との連携や代表選出において課題がありました。また、国際歴史学会を開催する際の窓口も確立されていませんでした。このような状況から、諸学会や研究者間の連携組織の必要性が高まり、主要な歴史学会代表による協議を経て、1950年に日本歴史学協会が設立されました。

目的と活動

日本歴史学協会は、歴史学の向上発展に必要な諸学会・研究者間の連携、歴史学界全体に関わる重要事項の協議、国際交流事業などを目的としています。

会員構成

会員は、個人会員と学会会員で構成されています。

個人会員：歴史学に関する研究論文や編著書の公刊実績のある者、修史・研究機関に所属して学術的業績を有する者、修士以上の学位保持者、またはこれらに準ずる者が対象です。2名以上の会員の紹介によって加入申請が可能です。
学会会員：定期的な学術刊行物を発行している歴史学関係の学術研究団体で、組織体制が確立されている（組織名、代表者、連絡先が明記されている）団体が対象です。

どちらの会員も、申請・登録後に日本歴史学協会の委員会による審査を経て加入が認められます。1997年7月時点で、個人会員は約2,400名、学会会員は76団体となっています。

組織運営

個人会員と学会会員は、選挙を通じて、委員会や常任委員会などの執行機関を選出する権利を有しています。

日本歴史学協会は、年1回の総会、委員会、特別委員会、学会会員連絡会によって構成されています。

委員会：加盟学会の推薦による学会代表と委員会が推薦する個人から、それぞれ25名ずつ、計50名の委員が選出されます。委員は総会の承認を経て決定されます。
監事：総会において2名が選出されます。
常任委員会：委員会の中から25名の常任委員が選出され、さらにその中から正副委員長がそれぞれ1名選出されます。実際の会務は常任委員が中心となって運営します。
特別委員会：建国記念日、文化財保護、歴史教育、国際交流など、テーマごとに設置されます。

参考文献

中田易直「日本歴史学協会」（『国史大辞典 11』、吉川弘文館、1990年） ISBN 978-4-642-00511-1
岩崎宏之「日本歴史学協会」（『歴史学事典 6 歴史学の方法』、弘文堂、1998年） ISBN 978-4-335-21036-5

外部リンク

* 日本歴史学協会

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