日本無線

日本無線株式会社について

日本無線株式会社（Japan Radio Co., Ltd.、略称:JRC）は、東京都中野区に本社を置く老舗の大手通信メーカーであり、日本国内では最大手の無線通信メーカーとして知られています。業務内容は、産業用および公共用の無線通信システムの製造・販売であり、提供する製品は多岐にわたります。特に、通信機器、海上機器、システム機器の大別が主な営業品目となっています。最新の有価証券報告書によれば、平均年収は約750万円とされています。

沿革

同社は1915年に木村駿吉らによって匿名組合として設立され、1920年には日本無線電信電話株式会社に成長しました。その後、大倉財閥および日本電力の傘下となり、主に無線通信機器の製造を行い、軍需分野にも大きな貢献をしてきました。特に、日電財閥の中での一有力企業として位置づけられていましたが、戦後の財閥解体に伴い、関連工場が分社化されました。

その後、同社は軍事技術を民間利用へと転用することに成功し、医療機器分野でも重要な役割を果たしました。特に、超音波診断装置は妊婦の胎内を観察する用途に使用されており、その技術は現在も多くの現場で活用されています。医療機器部門は後に日立アロカメディカルとして独立しました。

特徴

日本無線は電波と音に特化した総合製造業であり、無線通信機器としてはGPS受信機や無線LAN、基幹系無線通信装置、海上無線通信機器を手掛けています。また、魚群探知機や船舶レーダー、衛星通信装置など、海事関連の技術にも強みを持っています。これに加えて、ドップラーソナーや都道府県防災行政無線、地震情報システム等のシステム機器も製造しており、衛星通信装置では世界的なシェアを誇っています。

携帯電話事業

1985年から2002年にかけて、日本無線はNTTおよびその傘下のNTTドコモ向けに自動車電話や携帯電話端末の供給を行っていました。特に、防水性能を持つ初の端末「R691i GEOFREE」の発売は、多くの注目を集めました。しかし、端末の販売台数が少なかったこともあり、2002年に携帯電話事業から撤退しました。今後はPHS端末や基地局用機器の製造を行っており、特にPHSにおける供給実績は評価されています。

主な商品

主な製品には、業務用無線電話装置や海事衛星通信装置、非常用位置指示無線標識装置などがあります。また、音響設備においても老舗であり、皇室に導入されたステレオ設備も同社製です。さらに、防災情報システムやドライビングシミュレータなど、幅広いジャンルの製品を展開しています。特に、同時通訳装置では国産で最大の納入実績を誇るなど、技術力には定評があります。

まとめ

日本無線株式会社は、歴史的な背景を持ちつつ現在も技術革新を続け、多様な分野でその技術を活かしています。今後の成長が期待される企業の一つと言えるでしょう。

もう一度検索