日本触媒

株式会社日本触媒：触媒技術で未来を拓く化学メーカー

株式会社日本触媒は、1926年の創業以来、触媒技術を基盤とした化学メーカーとして、世界市場で確固たる地位を築いています。大阪府大阪市と東京都に本社を置き、国内外の拠点で多様な事業を展開しています。

揺るぎない歴史と技術革新

その歴史は、1926年設立のヲサメ硫酸工業事務所に遡ります。その後、幾度かの社名変更を経て、1941年にヲサメ合成化学工業株式会社として設立。創業時からバナジウム触媒など、当時としては先進的な技術に挑戦する企業でした。第二次世界大戦後、2代目社長となった八谷泰造氏のリーダーシップのもと、1949年に日本触媒化学工業株式会社に社名変更。富士製鐵（現在の日本製鉄）からの出資を受け、酸化エチレン、アクリル樹脂、ポリエステルといった分野での開発に成功し、これらの事業が現在も同社の基盤を支えています。

世界トップシェアを誇る製品群

日本触媒の強みは、世界トップクラスのシェアを誇る製品群にあります。特にアクリル酸では、世界全体の製造能力の55％をライセンスを通じて支える一方、自社での生産でも世界3位の実績を誇ります。高吸水性樹脂においては、世界シェア25％（世界第1位）を占め、世界中の紙おむつなどに使用されています。その高い吸水力は砂漠緑化プロジェクトにも応用されるなど、可能性は無限大です。さらに、ダイオキシン分解触媒や自動車排気ガス浄化触媒など、環境問題への取り組みにも積極的に貢献しています。

グローバルな事業展開と研究開発

日本触媒は、日本国内だけでなく、アメリカ、シンガポール、インドネシア、ベルギー、中国、韓国など、世界中に事業所を展開し、グローバルな事業を展開しています。国内には、大阪、東京に本社を置き、吹田、姫路に研究所、川崎、姫路に製造所を擁しています。研究開発には積極的に投資を行い、技術革新を続けており、近年は研究開発拠点の強化や事業の多角化にも力を注いでいます。グループ理念である「TechnoAmenity」（テクノロジーでアメニティーを提供）を掲げ、技術革新を通じて人々の生活を豊かにすることを目指しています。

社会貢献と未来への展望

日本触媒は、製品供給を通じて社会に貢献するだけでなく、環境問題への取り組みにも力を入れています。ダイオキシン分解触媒や自動車触媒の製造を通して、地球環境保全に貢献しています。また、CMやラジオCMなどを通して、企業イメージの向上にも努めています。1991年には台湾の侯孝賢監督、1992年にはフィンランドのアキ・カウリスマキ監督をCMディレクターに起用するなど、話題性も高く、幅広い世代に親しまれる企業です。

過去の出来事

日本触媒の歴史においては、1976年と2012年に姫路工場で発生した事故も記憶に残る出来事です。これらの事故を教訓に、安全管理体制の強化を進め、現在に至っています。

現在、日本触媒は、持続可能な社会の実現に向け、更なる技術革新と事業展開に取り組んでいます。触媒技術を核とした事業は、これからも人々の生活を豊かにし、社会の発展に貢献していくでしょう。

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