日蓮宗不受不施派

日蓮宗不受不施派について

日蓮宗不受不施派は、日本の仏教における一派で、日蓮を宗祖としており、その教えを日奥が引き継ぎ発展させました。この派は、特に「不受不施義」という信念に基づき、他者からの施しを拒む姿勢を貫いています。元々、日蓮が提唱したこの教義は、信者に自らの信念を守ることを促すものであり、その結果、教団の存続が危機にさらされることとなりました。

歴史的背景

日蓮宗不受不施派は、江戸時代において特に厳しい弾圧を受けました。幕府は「寺請禁止令」を発し、そのため信徒は寺請ができず、教団自体が非合法化されました。このような圧力の中で、信者たちは地下組織の形を取り、僧侶と一般信者に分かれ、さらには外見上他派に見せかける信者が現れるなどの対策を講じました。

1682年には、教団内の対立が表面化しました。一方の「日指派」は、内信の信者が本心から他宗に従っているのではなく、苦渋の選択であったとし、その現状を憂いて法立に内信の導師を務めてもらうことを主張しました。これに対抗する形で、「津寺派」は、彼らの行動を批判し、実際には仏法を放棄している者たちの姿勢を非難したため、結果的に教団は二分されることになりました。1695年までに、この対立は深まり、教団は完全に分かれてしまったのです。

弾圧の歴史

日蓮宗不受不施派は、1595年に豊臣秀吉の千僧供養会で主張を引っ提げて出たことで、弾圧を受け始めます。以降、何度も幕府との対論が行われ、そのたびに流罪などの厳しい処分が下されました。特に、1630年には多数の僧侶がその信念を理由に流罪となるなど、派は厳しい状況にさらされました。

1665年には、受施派の策略により、幕府が不受不施派への処置を強化しました。結果、寺領や日常的な生活の援助までを「敬田供養」として強要するという事態に至るものの、不受不施派はその信念を堅持し続けました。1669年にはさらに追放が進み、教団の活動は地下に潜伏せざるを得なくなります。

終焉と再興

その後、明治政府の寺請制度が廃止されると、不受不施派は再興の道を歩むことになります。1876年には正式に再興が許可され、さらには1941年には「本化正宗」として合同したものの、1946年に再び分派するという紆余曲折を経ました。

現在、「日蓮宗不受不施派」は、岡山にある妙覚寺を本山として活動を続けており、その思想的基盤と歴史は日本の宗教史において特異な位置を占めています。教団内部の寺院には多くの信者が所属し、それぞれの信仰をともにしています。今日は、この伝統と教義を受け継いだ信者たちが日々活動を行っています。

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