旧吉野川
旧吉野川の詳細
旧吉野川（きゅうよしのがわ）は、徳島県を流れる吉野川水系の重要な河川です。この川は、歴史的には吉野川の本流でありましたが、1672年に行われた治水事業により流路が変更され、現在の形となりました。この治水事業では、蜂須賀綱通によって別宮川と吉野川が結ばれた結果、旧吉野川に流れ込む水量が大きく減少しました。
水量の減少は、河川の水流を減少させ、海水が満潮時や渇水期に河川へ流入する結果を招きました。このため、周辺地域では水不足が発生し、塩害が頻繁に見られるようになりました。これが原因で、米を始めとする農作物の育成が難しくなり、収穫量が大幅に減少しました。この問題に対処するため、徳島藩は農民からの訴えを受け、吉野川第十堰を設置しました。この施策により流量が安定し、農業生産が次第に回復していきました。
1932年に流れが整理された際、これまでの流れを「吉野川」と改称し、旧吉野川は新たに名称を与えられました。1973年には早明浦ダムの建設に伴い、潮止めのために旧吉野川河口堰が設置され、1975年にはその完成が見られました。
水質と生態系
旧吉野川は、地域の環境基準をほぼ満たしており、さまざまな魚類が生息しています。そのため、釣り愛好家にとって魅力的なスポットとなっていますが、近年は環境汚染物質が増えており、川の水質が懸念されています。このような状況の中で、地元コミュニティによる水質改善の取り組みが進められています。
主な支流
旧吉野川には複数の支流があります。以下はその一部です：
これらの支流は、旧吉野川の生態系を支えています。
親水施設
流域には、住民や観光客に親しまれる公園や施設も存在します。主な親水施設は以下の通りです：
- - 三ツ合公園：北島町にあり、今切川との合流付近に位置する親水公園です。
- - 向喜来緑地：松茂町にある自然豊かな緑地です。
- - ふれあいきゅうない公園：向喜来緑地に隣接し、多様なレクリエーションが楽しめます。
流域の自治体
旧吉野川は、以下の自治体に沿って流れています：
このように、旧吉野川は地域の歴史、環境、文化において重要な役割を果たしており、今後もその価値が認識され、保護されていくことが期待されています。
もう一度検索
【記事の利用について】
タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。
【リンクついて】
リンクフリーです。