早月川

早月川（はやつきがわ）

早月川は富山県を流れる二級河川であり、早月川水系の本流です。この川はかつては延槻川や坪川川と呼ばれていました。川は立山と白萩川の合流点から始まり、滑川市と魚津市の境を流れ、日本海へと注ぎます。平均勾配が8.3％という急流であることから、その流れは非常に速いです。富山県の七大河川の一つとして、黒部川、片貝川、常願寺川、神通川、庄川、小矢部川と並びます。

地理的特徴

早月川は中新川郡上市町の南東に位置する剱岳を源にし、滑川市と魚津市を隔てて日本海に流れ込みます。川に沿っては河岸段丘が広がり、中流域には特に発達した中村段丘があります。この段丘は、巨磔を含む岩石段丘を形成しており、地形の魅力的な要素となっています。また、河口部には河川敷の水溜りという名の池があります。

主な支流

早月川は多くの支流を持っています。代表的なものには小早月川、小又川、白萩川、立山川があります。これらの支流は、早月川の流れに多様性を与えていて、環境における重要な役割を果たしています。

歴史的背景

早月川は万葉集にも登場し、歌人の大伴家持がその美しさを詠んでいます。この時代、川の名前である「延槻」は「ケヤキが繁る」という意味を持ち、当時の川沿いには多くのケヤキの木が根を下ろしていたとされています。現在の早月川は、この「延槻川」が音韻変化を経て名づけられたものと考えられています。

河口近くでは、かつて「坪川川」と呼ばれていた部分があり、洪水による地形の変化を経て現在の流れになりました。1883年にはオランダの土木技師が川の調査を行い、その流れの急さから「これは川ではなく滝だ」と感想を述べたというエピソードも残っています。この言葉は長らく別の川に関連付けられていましたが、2020年になり、早月川に対する発言であったことが確認されています。

1953年からは国営事業として早月川の改修が進み、1962年には通水が始まります。また、1977年には上流に早月川高島砂防堰堤が完成し、この堰堤は当時日本一の長さを誇りました。

生態系

早月川の水温は非常に低く、河口部にもイワナが生息していますが、水量の変動が激しく、夏場には渇水が頻発します。これによって生態系には影響が出ることもありますが、小早月川などの一部の支流は水量が安定しているため、魚たちの貴重な避難所となっています。

流域の自治体

早月川が流れる地域には、富山県の中新川郡上市町、滑川市、魚津市があります。これらの自治体は、川の保全や活用に関与しています。

主な橋梁

早月川には多くの橋が架かっており、交通の要所となっています。例えば、伊折橋、剣橋、豊隆橋などがあり、それぞれの地域道路をつなぐ大切な役割を果たしています。

まとめ

早月川はその急流の特性と美しい自然、歴史的な背景から、多くの人々に親しまれています。流域の自治体や生態系への影響も考えられ、今後の保全活動が期待されています。

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