旭岳

旭岳（あさひだけ）

旭岳は、北海道上川郡東川町に位置する火山であり、大雪山連峰の主峰で、標高は2,291mです。これは、元々の標高2,290mから2008年に国土地理院によって修正されたものです。旭岳は、日本最高峰の一つとしても知られており、山頂には一等三角点「瓊多窟」が設置されています。また、気象庁により活火山としても指定されており、その火山活動は歴史的に注目されています。

山の歴史と火山活動

旭岳の形成には、約3万年前の御鉢平カルデラの噴火が見逃せません。その後約1万5千年前から始まった火山活動は、噴出物の分析を通じて4つの活動期に分けられています。ここ数千年の間は特に顕著なマグマ噴火は観測されておらず、約5000年前には降下したスコリアにより現在の山体の頂部が形成されました。

その後、約3000年前から2000年前にかけては山体の崩壊があり、西側に馬蹄形の地獄谷火口を生じることになりました。この土砂は、旭岳温泉にまで影響を与えました。また、1000年前から水蒸気爆発が頻繁に起こるようになり、500、600年前には姿見池を含む小火口群が形成されました。1739年以降の250年間には水蒸気噴火が記録されています。

観光とアクセス

旭岳は、観光名所としても多くの登山者に親しまれています。東川町の旭岳温泉からは、姿見の池（標高1,600m）までアクセスできるロープウェイが運行されており、手軽に美しい山岳風景を楽しむことができます。姿見の池周辺はなだらかな地形で、高山植物が群生しており、本州の高山にしか見られないような植物も観察できます。運が良ければシマリスにも出会うことができるかもしれません。

しかし、夏でも天候が急変しやすく、低体温症のリスクがあるため、訪れる際はしっかりとした準備が必要です。そのため、非常用の装備や秋の北アルプスに匹敵する服装が推奨されています。また、山頂付近では急坂の岩場が続き、目印となる「金庫岩」や「ニセ金庫岩」があり、道に迷うこともあります。実際、1989年にはSOS遭難事件が起きたこともあります。近年では道が改善措置を講じているものの、注意が必要です。

道路と交通

かつては、北海道道212号を通る計画がありましたが現在は中止されており、2000年には完成した道道が2分割され、北海道道1160号と1162号が新たに設定されました。この交通網も訪問者にとって便利なアクセスを提供しています。

まとめ

旭岳はその美しい自然環境と厳しい条件が相まって、訪れる人々にとって特別な体験を提供します。火山としての歴史も深く、多彩な高山植物や野生動物とともに、訪れる価値があります。登山する際は、天候への配慮と安全対策を怠らず、忘れられない冒険を楽しんでいただきたいと思います。

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