聖飢魔II、日本のヘヴィメタルシーンを代表するバンドによる10枚目の
シングル「
有害ロック」は、
1990年7月21日、B.D.9年に発布されました。この
楽曲は、それまでの
聖飢魔IIの
シングルとは一線を画す、ヘヴィメタルの要素を強く打ち出した作品として知られています。
従来の
シングル「白い奇蹟」や「BAD AGAIN〜美しき反逆〜」といった
楽曲とは異なり、「
有害ロック」は、重厚なサウンドが特徴です。イントロからデーモン小暮閣下の雄叫びが炸裂し、ドラムの重低音が全編を支配。
ルーク篁III世によるギターソロも
楽曲にロック的なエッジを与えています。単なるヘヴィメタルにとどまらず、
聖飢魔II独自の個性が色濃く反映された、聴く者を圧倒する
楽曲に仕上がっています。
歌詞の内容もまた、挑戦的なものとなっています。子供を叱責するような言葉から、大人社会への痛烈な皮肉へと展開していく、風刺的な表現が用いられています。当時の社会情勢や音楽シーンへの、
聖飢魔IIからのメッセージが込められていると言えるでしょう。この挑戦的な姿勢は、他のロックアーティストのコンサートで事故が発生し、公演中止が相次いでいた時代背景とも重なり、大きな注目を集めました。
さらに、「
有害ロック」は、そのプロモーション活動においても話題を呼びました。
1990年7月27日と31日、
聖飢魔IIは人気音楽番組『
ミュージックステーション』に出演。「
有害ロック」をパフォーマンスする際、セットを破壊したり、消火器を撒き散らすなど、過激な演出を展開。その破壊的なパフォーマンスは大きな話題となり、番組を象徴する出来事の一つとして記憶されています。ミュージックビデオでも、デーモン小暮閣下による衝撃的なパフォーマンスが収録されており、その過激さは、当時の視聴者に強いインパクトを与えたとされています。
カップリング曲には「ピンクの恐竜」が収録されています。こちらは「
有害ロック」とは異なる、
聖飢魔IIの音楽的多様性を示す一曲と言えるでしょう。作詞はデーモン小暮閣下、作曲はSgt.
ルーク篁III世が担当し、編曲は
聖飢魔IIと
松崎雄一が共同で手がけています。
ライブパフォーマンスでは、演奏前にデーモン小暮閣下のMCが入り、「ロックは
有害だ」という強烈なメッセージで締めくくってから演奏に入るという演出が定番となっていました。このMCと
楽曲の組み合わせは、
聖飢魔IIのライブのハイライトの一つとして、多くのファンに記憶されています。
「
有害ロック」は、単なる
楽曲を超えた、
聖飢魔IIの音楽性、パフォーマンス、そしてメッセージ性を凝縮した作品と言えるでしょう。
1990年代の音楽シーンに衝撃を与えたこの
楽曲は、今もなお、多くのファンに愛され続けています。その過激なパフォーマンスと挑戦的な
歌詞は、日本のロック史において、重要な位置を占めていると言えるでしょう。