木戸修

木戸 修（きど おさむ）のプロレス人生

木戸修は、1950年2月2日生まれ、日本のプロレス界で長年活躍したレスラーである。神奈川県川崎市出身で、彼はその地味ながらも確かな技術を備えたレスリングスタイルから「いぶし銀」と称され、多くのファンに支持されていた。

経歴の始まり

木戸は1968年10月に日本プロレスに入門し、1969年2月にプロレスデビューを果たした。デビュー後は、ユセフ・トルコの付き人として経験を積み、徐々にその名を広げていった。1971年12月14日、彼は藤波辰巳と共に日本プロレスを退団し、1972年に新日本プロレスの旗揚げメンバーとして参加。以来、木戸は多くの試合に出場し、技術を磨いていった。

アメリカでの修行

木戸は海外でも技術を向上させるべく、アメリカの「カール・ゴッチ道場」を訪れ、ゴッチから直接指導を受けた。ゴッチは木戸の才能を高く評価し、彼の成長を見守ったが、木戸は帰国後も一時的な成果を上げることができず、前座試合の常連となってしまった。しかし、1984年に第1次UWFに参加することで、彼の評価は再び上昇し始めた。

評価の高まりと「いぶし銀」

UWFでの参加以降、木戸はそのグラウンド・テクニックに光を当てられ、特に「いぶし銀」として知られるようになった。1985年にはUWF内の公式リーグ戦で栄冠を手にし、翌年には新日本プロレスに復帰し、逆境に負けず自らのスタイルを貫いた結果、地味ながらも切れ味鋭い試合で観客を魅了した。特に札幌では圧倒的な支持を受け、「札幌男」とも称されるほどの人気を誇った。

賞賛と引退

木戸は、1990年には東京ドームでの全日本プロレスとの対抗戦で観客を驚かせ、1992年以降は天龍源一郎率いるWARとの対抗戦でも重要な役割を果たした。2001年には引退記念興行が行われ、多くのファンが彼の最後の勇姿を見届けた。この興行では、家族や慕っていた仲間たちとの感動的なセレモニーが行われた。木戸は家族思いの優しさが印象的な人物として、多くのファンに記憶されている。

引退後の活動

引退後も木戸はプロレス界に関与し、2005年にビッグマウス所属選手としてリングに復帰。彼は徐々に新たな世代の選手との交流を深め、2010年にはIGFプロレスリングの大会にも参戦し、現役時代の技を再び披露した。木戸は最後までプロレスリングに情熱を注ぎ続けた。

晩年と死去

晩年はガンとの闘病生活を送り、2023年12月11日に横須賀市内の病院で急逝した。73歳という生涯の中で、木戸は日本のプロレス界に多大な影響を与え続けた。

得意技とスタイル

木戸の得意技としては、カール・ゴッチ源流のサブミッション技を用いた戦法が挙げられる。特に「脇固め」や「キド・クラッチ」は彼ならではの技で、多くの試合で相手を圧倒してきた。

• - 脇固め: 木戸の脇固めは非常に決まりやすい技であり、試合の流れを一変させる力を持っていた。
• - キド・クラッチ: オリジナル技であり、フォール率が非常に高いことで知られる。

木戸修の姿勢や技術へのこだわりは、披露する技術をより一層引き立て、観客はその魅力に魅了され続けた。

家族との絆

木戸は長女にプロゴルファーの木戸愛を持ち、家族を大切にしながらプロレス界を駆け抜けてきた。東京ドームでの引退セレモニーでは、彼の家族も参加し、心温まる瞬間が演出された。木戸の人柄や闘志は、彼のリング上の姿勢に色濃く反映されていた。

彼の64歳の誕生日を迎えるこの頃、絶え間ない努力と情熱を持ち続けた木戸修の生涯は、今も多くのファンたちの記憶に刻まれ続けるだろう。

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