本庄ダム

本庄ダムの概要

本庄ダムは、広島県呉市に位置するダムで、呉市上下水道局によって管理されています。このダムは、1918年に築造され、当時の大日本帝国海軍呉鎮守府の軍用水道である「呉鎮守府水道」の水源として利用されました。1999年には、稼働している水道施設として日本で初めて重要文化財に指定され、その名称は「本庄水源地堰堤水道施設」となりました。

在る意味で、これは本庄ダムが持つ歴史的価値や建築的な重要性を示すものであり、現在も活用され続けている点においても特異です。

ダムの機能と構造

本庄ダムは、上流の二河川を含む4つの川から流入する水を利用しており、沈砂やろ過機能を持つ取水施設が整備されています。ダムの堰堤は重力式コンクリートダムで、高さは25メートル、堤頂部の長さは97メートルです。堤体の一部には花崗岩が使用され、強固で美しい外観を保っています。

重要文化財として指定されている設備には、1基の丸井戸や第一量水井、階段などが含まれており、これらは全て竣工当時のものです。特に、丸井戸は直径9.9メートルの石造構造で、二河川から直接取水された水を集める機能を持っています。さらに、第一量水井は水を集めるための重要な役割を担っており、鋳鉄製の配管が特徴です。

歴史的背景

本庄ダムの建設は、1886年に呉鎮守府が設置されたことに始まります。海軍の軍用水道、呉鎮守府水道の安定供給を目的に、様々な検討の結果として1918年に完成しました。このダムの建設は非常に困難を伴い、工事中には多数の労働者が動員され、その中で死者や負傷者も出るほどの大規模なものでした。工事費は当時の通貨で1,801,246円に達し、その歴史的意義はただならぬものがあります。

現在の利用状況

本庄ダムは現在も呉市の上水道供給に利用されていますが、特に春の桜の開花時期には多くの花見客が訪れる名所としても知られています。ダム周辺の「レイクパーク本庄」には、ピクニック広場が整備され、多様な樹木が植えられており、自然豊かな環境を楽しむことができます。また、湖面には神社が祀られた島もあり、地元住民から「水神さん」と呼ばれて親しまれています。

アクセス

本庄ダムへは、広電バスを利用して「水源地前」や「本庄」「押込」バス停で下車することができます。周辺には広島県道31号線が通っています。

このように、本庄ダムは単なる水道施設ではなく、歴史的な価値を持ち、地域の文化や自然とも深く結びついている重要な存在です。ダムの開放日やイベントについては、呉市の公式情報をチェックすると良いでしょう。

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