札幌運転所

札幌運転所について

札幌運転所（さっぽろうんてんじょ）は、北海道札幌市手稲区曙1条3丁目に所在する、北海道旅客鉄道（JR北海道）の重要な車両基地です。この基地は、運転士が所属し、本社鉄道事業本部の管理下にあります。略称は「札サウ」で、手稲駅との接続により入出区線が整備され、隣駅の稲穂駅が最寄駅となっています。

札幌地区では、苗穂運転所が気動車を主に取扱っているのに対し、札幌運転所は電車や一部客車も含む多様な車両が配置されています。JRグループの在来線の電化区間としては特異な位置にあり、運転所に所属する電車は全てが当運転所から運用されています。

歴史

札幌運転所の設置は、1957年（昭和32年）に遡ります。最初は苗穂機関区が設計された当時、気動車120両を配置することが目標とされていました。この時期は、札幌駅近くに札幌客貨車区が併設されており、基盤が整っていました。

しかし、1964年（昭和39年）の段階で、苗穂に170両の気動車が配置され、さらなる増強はスペース的に難しい状況でした。そこで、国鉄は「第3次5カ年計画」に基づき、道内各線区の複線化や電化工事を進める中、新しい車両基地の設置が求められるようになりました。

当初の候補地は1961年から検討され、輸送体型が山線から海線へと移行する中、札幌駅の西側に設置されることが有利とされました。手稲町が比較的用地買収が容易だったため、ここに新設されることとなりました。新設後は苗穂に185両の気動車が残され、その他の車両が移管されました。電化後は主に電気運転を行う列車を担当することになりました。

年表

• - 1965年（昭和40年）9月1日 - 札幌運転区として開設。
• - 1987年（昭和62年）3月1日 - 札幌運転所に改称。
• - 1987年（昭和62年）4月1日 - 国鉄分割民営化に伴い、北海道旅客鉄道に継承。

配置車両

2024年（令和5年）4月1日現在、札幌運転所には以下の車両が配置されています。

電車

• - 785系電車（10両）: 特急「すずらん」に使用。
• - 789系電車（66両）: 特急「ライラック」、「すずらん」、「カムイ」で使用。
• - 721系電車（132両）: 函館本線・千歳線・札沼線の各種列車に使用。
• - 731系、733系、735系、737系: それぞれ普通列車及び快速「エアポート」で使用されています。

気動車

• - キハ261系（47両）: 特急「おおぞら」や「とかち」に使用され、2両編成が複数配置されています。

客車

• - マヤ35形: 軌道検測車として配置されています。

運転士乗務範囲

当運転所の運転士は、函館本線の小樽から旭川間、室蘭本線・千歳線など幅広いエリアで乗務を行います。特急「カムイ」や「ライラック」を含む多くの列車の運行を担っており、特に札幌から東室蘭間の運用が重要な役割を果たしています。

札幌運転所は地域の交通の要所として、長い歴史と多様な車両を誇る施設です。その役割は今後も変わることなく、北海道の交通網において重要な位置を占め続けるでしょう。

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