材木座

材木座とは

材木座（ざいもくざ）は、中世日本における都市を中心に組織された、木材の独占販売権を持つ座のことです。木屋座（きおくざ）とも呼ばれました。

京都の材木座

京都の堀川は、平安時代末期から木材の集積地として発展しました。南北朝時代頃には、祇園社を本所とする左方・右方の二つの材木座が成立し、丹波国、近江国、美濃国などの周辺地域や、遠くは四国方面からの木材を独占的に販売しました。祇園社の神人という身分を得ることで、彼らは特権的な地位を確立し、安定した木材供給を担いました。

木津の材木座

奈良郊外の木津にも、興福寺の寄人身分を得た木守と呼ばれる人々が材木座を組織しました。木津は伊賀国に近く、水運を利用して四国方面からの木材も集まるため、奈良へ入る木材を独占的に扱うことができました。奈良の地にも、木津から入ってくる材木を扱う材木座が存在し、地域間の流通を担っていました。

その他の都市の材木座

堺や鎌倉などの都市にも材木座が結成されました。特に鎌倉市にある材木座海岸は、鎌倉の材木座との関連が指摘されています。これらの都市における材木座は、それぞれの地域における木材の需要に応え、都市の発展を支えました。

材木座の役割

材木座は、中世都市における木材の安定供給に不可欠な存在でした。彼らは、木材の調達から販売までを一手に担い、都市の建設や維持、人々の生活を支えました。また、寺社との関係を通じて特権的な地位を確立し、経済的な基盤を築きました。

参考文献

佐々木銀彌「材木座」（『日本史大事典 3』平凡社、1993年） ISBN 978-4-582-13104-8

関連項目

材木問丸

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