村上農園

株式会社村上農園

株式会社村上農園は、広島県広島市に本社を置く施設野菜メーカーであり、スプラウトの国内最大手として知られています。同社は、ブロッコリースプラウトや豆苗といった野菜を日本に普及させたことで広く知られています。

沿革

1966年：村上秋人によって村上農園が設立
1978年：株式会社化
1982年：千葉生産センター開設、ムラカミシード設立
1985年：湯来生産センター開設
1988年：大井川生産センター開設
1989年：四日市生産センター開設
1990年：福岡生産センター開設
1991年：小田原センター開設
1994年：ISSI（種子生産会社）設立
1999年：Brassica Protection Products LLCと日本国内の独占ライセンス契約を締結
2007年：村上清貴が社長に就任
2009年：全生産施設でISO22000認証を取得
2011年：山梨北杜生産センター開設
2013年：沖縄村上農園・大宜味生産センター開設
2014年：KOPPERT CRESS B.V.と相互ライセンス契約を締結
2018年：品質管理の統括拠点、ワールドコントロールセンターとスルフォラファン研究所を本社内に開設

創業初期

創業者である村上秋人は、紅タデの栽培から事業をスタートさせました。その後、排他的経済水域の制定による漁業の衰退を予測し、紅タデ栽培からの転換を図り、かいわれ大根の水耕栽培に着手しました。当時高級食材であったかいわれ大根を、技術革新によって低価格で供給することに成功し、その普及に大きく貢献しました。村上農園の公式情報によると、寿司ネタの「かいわれ巻き」は村上秋人が考案したとされています。1980年代後半には、かいわれ大根の生産業者が増加し価格競争が激化しましたが、村上農園は合理化とコスト削減を徹底し、国内シェア30%を超えるトップメーカーへと成長しました。

経営危機と再生

1996年、O-157による集団食中毒事件が発生し、かいわれ大根が感染源として疑われたことで、生産業者は風評被害により大きな打撃を受けました。村上農園も例外ではなく、経営は危機的な状況に陥りました。しかし、そのような状況下で、かいわれ大根に代わる新たな商品として豆苗の生産に本格的に取り組みました。豆苗の認知度が低い中、社員総出で試食販売を行い、その普及に努めました。また、ハーブ類やルッコラなどの委託生産も開始し、これらの取り組みが功を奏し、経営を立て直すことに成功しました。

スプラウト、豆苗の普及

1997年、米国ジョンズ・ホプキンス大学医学部のポール・タラレー教授が、ブロッコリーに含まれるスルフォラファンを高濃度に含むブロッコリースプラウトを開発しました。村上農園は、このスプラウトの生産に関して日本国内における独占ライセンス契約を獲得し、1999年からブロッコリースプラウトの生産を開始しました。2001年には、スルフォラファンをさらに高濃度に含むブロッコリー スーパースプラウトの生産も開始し、健康情報番組で紹介されたことで需要が拡大しました。

豆苗は、2008年のリーマン・ショック以降の節約志向の高まりや、異常気象による野菜価格の高騰などを背景に、ほうれん草などの葉物野菜の代替品として注目を集め、需要が急増しました。これを受け、2011年には山梨県北杜市に自動化システムを導入した国内最大の豆苗専用植物工場を建設しました。2019年の豆苗出荷量は、10年前の約8倍にまで拡大しました。

現在、村上農園は、ブロッコリースプラウトなどの機能性野菜と、豆苗などの大衆普及型常備野菜の生産を事業の柱としています。さらに近年では、飲食店向けにマイクロハーブなどの外食向け新野菜の生産にも取り組んでいます。

事業所

本社：広島県広島市
研究開発部：本社

生産拠点

千葉生産センター：千葉県東金市
小田原生産センター：神奈川県小田原市
大井川生産センター：静岡県焼津市
山梨北杜生産センター：山梨県北杜市
四日市生産センター：三重県四日市市
広島生産センター：広島県広島市
湯来生産センター：広島県広島市
福岡生産センター：福岡県朝倉市

物流拠点

東日本物流センター：千葉県東金市
西日本物流センター：広島県広島市

広報マーケティング室

東京都港区

営業所

首都圏営業所・東日本営業所・営業推進室：東京都港区
関西営業所：大阪府茨木市
名古屋出張所：愛知県名古屋市
西日本営業所：広島県広島市

関連会社

ムラカミシード
* 沖縄村上農園

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