東アジア反日武装戦線

東アジア反日武装戦線について

東アジア反日武装戦線（ひがしアジアはんにちぶそうせんせん）とは、1970年代に活発に活動した日本の過激派集団であり、アナキズム的な思想を持つ極左のテロ組織です。彼らは反日本帝国主義を掲げ、日本企業がアジアに与える影響に強い反発を示し、多くの爆弾テロを実行しました。特に1974年8月に起こった三菱重工業爆破事件では8人の命が失われ、380人以上が負傷し、その惨事は国内外に大きな衝撃を与えました。

組織の背景

この集団は、法政大学の学生を中心に約9名で構成され、太田竜の思想に影響を受けていました。1974年3月には自らの爆弾製造に関する教本『腹腹時計』を地下出版し、同年8月には昭和天皇暗殺を目指す「虹作戦」を敢行しましたが、運営上の問題から決行は失敗に終わりました。

彼らは、「反日思想」を元に海外進出する日本企業がアジア侵略に加担していると批判し、武力闘争に踏み切る過程を経ていきます。彼らの活動は、一般市民を装った非公然活動家によるものであり、警察に対してはその正体を隠す形で運営されていました。

主要な事件

1974年から1975年にかけて、彼らは連続企業爆破事件を実行し、対象には三菱重工業、三井物産、帝人、大成建設などの企業も含まれていました。これらの企業が「アジア侵略に加担している企業」として標的にされ、反日武装闘争の一環として爆破が行われました。

1977年には日本赤軍のダッカ日航機ハイジャック事件が起こり、これにより一部メンバーが釈放され日本赤軍に参加しました。彼らの行動は、既存の新左翼運動とは異なり、組織的な枠組みを持たない自由なグループ活動であったため、メンバー間での統制は一切存在しませんでした。

思想と活動の特異性

この組織の特徴は、他の新左翼党派とは一線を画す独自の思想を持ち、暴力による闘争を厭わなかった点です。彼らは、「日帝本国人」を敵視し、一般の日本人も新植民地主義に無自覚に加担していると考えていました。そのため、一般市民の死傷者を出した爆破事件も、自らの活動の正当化に使われました。彼らの理念は、日本国民の自己批判を促し、革命的な構想を求めるものでした。

組織の解体とその後

1975年5月、警察による一斉逮捕が行われ、主要メンバーは逮捕されました。これにより、東アジア反日武装戦線は壊滅的な状況に追い込まれましたが、その後も何名かは逃亡し、国際手配を受けることになります。彼らは囚人となった以降も獄中で活動を続け、さらなるテロリスト活動や思想的主張を続けていました。現在でも、彼らの思想を引き継ぐ者たちや支持者たちが存在し、影響を及ぼし続けています。

今回の東アジア反日武装戦線の活動は、当時の日本社会や国際的な文脈の中でどのように評価され、また今後どのような議論を呼ぶかが注目されます。彼らが引き起こした事件の影響は、現在でも様々な形で語られ、研究されています。

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