東京ボーイズ

東京ボーイズ：歌と謎かけが織りなす、昭和から続く笑いのハーモニー

東京ボーイズは、1965年に結成された落語芸術協会所属の漫才コンビです。当初は歌謡漫談トリオ「シャンバロー」の門下として、旭しげる（後の旭五郎）、菅ひさし（後の菅六郎）、峰さかえの3人でスタートしました。1971年には仲八郎が加わり4人組となりますが、その後峰さかえが脱退。現在は菅六郎と仲八郎の2人で活動を続けています。

ユニークな芸風：歌と謎かけ、そして絶妙な掛け合い

東京ボーイズの芸風は、他の漫才師とは一線を画す独特のものです。代表的なネタは、観客から有名人の名前を募り、その人物にちなんだ歌を歌いながら謎かけを問いかける「謎かけ小唄」。南有二とフルセイルズの「おんな占い」をベースにしたこのネタは、彼らの持ち味を存分に見せています。

さらに、つかみとして披露されるクラシック音楽や流行歌を演奏しようとする場面も笑いを誘います。特に、薬物関連の逮捕歴のある歌手の名前を挙げ、演奏を試みるも失敗するコントのようなやり取りは、彼らの絶妙な掛け合いと、時代を反映したユーモラスな演出が光ります。

歌ネタでは、内山田洋とクール・ファイブの「中の島ブルース」やテレサ・テンの「つぐない」などを披露しますが、歌詞にケチをつけたり、現代風にアレンジしようとして失敗したりと、ハプニング満載の展開が観客を魅了します。

そして、ネタの最後は「わたしたち東京ボーイズを、謎かけ問答で解くならば、種を蒔かない畑です。」という、彼らの活動と重ね合わせたユーモラスなオチで締めくくられます。「いつまで経っても芽が出ない」という、自虐的な含みを持たせた言葉には、長年に渡る活動と、その中で培われた深い絆を感じさせます。

メンバー：それぞれの個性と深い絆

菅六郎: 三味線担当。1944年生まれ、東京都町田市出身。特徴的な鼻の下のちょび髭がトレードマークです。

仲八郎: ウクレレ担当。1948年生まれ、富山県砺波市出身。元ボーイズバラエティ協会副会長であり、落語家立川志の輔率いる「越中座」のメンバーでもあります。東京北区では「ナカハチライブ」を定期開催するなど、演芸界の後進育成にも尽力しています。

旭五郎: アコーディオン担当、リーダー。1944年生まれ、福島県南会津郡檜枝岐村出身。2007年に63歳で亡くなりました。菅六郎とは中学校時代の同級生で、深い友情で結ばれていました。

旭五郎の死後、東京ボーイズは一時、新メンバー加入も検討されましたが、最終的に菅六郎と仲八郎の2人で活動を続けることを決断しました。当初は、リーダー不在による距離感に戸惑う場面もありましたが、今では息の合ったコンビネーションを見せています。

東京ボーイズの歴史：笑いと涙、そして友情

東京ボーイズの歴史は、笑いと涙、そして深い友情の物語です。メンバーそれぞれの個性、時代を反映したネタ、そしてリーダーの死を乗り越えた彼らの絆は、多くの観客の心を掴んで離しません。現在も精力的に活動を行い、高田文夫を加えた「ニュー東京ボーイズ」としても舞台に立ち、昭和の香りを現代に届けています。彼らの舞台は、単なる漫才を超えた、人間ドラマが詰まった、忘れられないひとときとなるでしょう。

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