東京大学総合研究博物館

東京大学総合研究博物館：知の宝庫を巡る探求

東京大学総合研究博物館（UMUT）は、東京大学が有する広範な学術資源を統合的に管理・研究・教育する機関であり、1966年の開館以来、日本の学術発展に大きく貢献しています。本郷キャンパスに位置する本館に加え、小石川分館、そして最新のデジタル技術を活用したインターメディアテクと、多様な拠点で構成されています。

充実したコレクションと研究活動

UMUTは、地学、生物学、文化史学の3分野にまたがる17の部門で構成され、それぞれの専門分野における貴重な資料を数多く所蔵しています。これらのコレクションは、東京大学の創立以来、長年にわたる研究活動の成果であり、学術研究のみならず、教育、社会貢献にも活用されています。

地学系では、鉱物、岩石・鉱床、鉱山、地史古生物、地理に関する資料を収集。なかでも、アエンデ隕石のような太陽系形成初期の物質や、貴重な鉱物コレクションは、地球科学研究の重要な基盤となっています。

生物系では、植物、森林植物、薬学、動物、水産動物、人類・先史、医学といった分野を網羅。約170万点にも及ぶ植物標本、多様な動物標本、そして人類学資料は、生物多様性研究や人類進化研究に欠かせないものです。

文化史系は、考古学、建築史、考古美術、美術史、文化人類学の資料を所蔵。古代文明の遺物、歴史的建造物の資料、美術作品や工芸品などが、日本の文化遺産研究に貢献しています。中国や朝鮮半島に関する資料も豊富に含まれ、東アジア地域の文化研究における重要な拠点となっています。

多様な施設と魅力的な空間

UMUTは、本館、小石川分館、インターメディアテクの3つの施設から構成されています。本館では学術的な展示が中心となり、一方の小石川分館では実験的な企画展示やイベントを開催することで、相互補完的な役割を果たしています。

特に小石川分館は、旧東京医学校本館を移築復元した歴史的建造物で、1970年に重要文化財に指定されています。明治初期の木造擬洋風建築は、東京大学の長い歴史を物語る貴重な建築遺産であり、その歴史的空間も魅力の一つです。インターメディアテクは、デジタルアーカイブと実物の資料を融合させた展示空間として、新たな博物館体験を提供しています。

教育と社会貢献

UMUTは、これらの貴重なコレクションと充実した研究設備を活かし、大学院教育にも積極的に取り組んでいます。専任教員は大学院の研究科等に所属し、修士課程、博士課程の学生指導を行い、次世代の研究者を育成しています。さらに、一般向けの講演会やワークショップ、公開講座なども開催し、社会への情報発信にも力を入れています。

歴史と未来

UMUTは、東京大学総合研究資料館として1966年に発足し、1996年に現在の名称に改組されました。以来、数々の増築や改修を経て、現在の規模に拡大。その歴史は、日本の学術研究の歴史と密接に結びついており、これからも貴重な資料を収集・保存し、研究・教育活動を通じて、社会に貢献していくことでしょう。

アクセス

本館: 東京メトロ丸ノ内線・都営地下鉄大江戸線 本郷三丁目駅、東京メトロ南北線 東大前駅から徒歩圏内。

小石川分館: 東京メトロ丸ノ内線 茗荷谷駅から徒歩圏内。

UMUTは、学術研究の拠点であると同時に、誰でも訪れ、日本の歴史と文化、そして自然に触れ合える魅力的な場所です。

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