東京都江戸東京博物館

江戸東京博物館：江戸と東京の歴史と文化を体感できる博物館

東京都墨田区に位置する江戸東京博物館は、江戸時代から現代までの東京の歴史と文化を深く理解できる体験型博物館です。1993年の開館以来、多くの人々を魅了し続けています。本館と、小金井公園内にある分館「江戸東京たてもの園」から構成され、それぞれ異なる魅力を提供しています。

本館：江戸から東京への変遷をたどる

地上7階、地下1階建ての本館は、約4万6千平方メートルの広さを誇ります。館内には、企画展示室、常設展示室、映像ホール、図書室など、多様な施設が充実しており、一日かけてもじっくりと楽しめます。

常設展示室では、江戸ゾーンと東京ゾーンに分かれて展示が展開されています。江戸ゾーンでは、精巧な模型や資料を通して、江戸時代の庶民の生活、文化、そして街の賑わいをリアルに体感できます。日本橋や中村座の模型、長屋と路地の再現展示などは特に人気です。一方、東京ゾーンでは、明治維新、文明開化、関東大震災、東京大空襲といった激動の時代を背景に、東京の変遷を辿ることができます。

企画展も盛んに開催されており、江戸や東京の文化をテーマとした幅広い内容が取り上げられています。考古学から漫画家・手塚治虫や水木しげるの作品まで、その内容は多岐に渡り、時には海外の美術品との関連性も探求されています。

本館の設計は、著名な建築家・菊竹清訓氏によるものです。江戸城天守閣を思わせる高さ約62メートルの建物は、周辺の景観との調和も考慮されていますが、下町の景観を損ねているとの意見もあるようです。

現在、本館は2022年4月から2025年まで、老朽化に伴う改修工事のため休館中ですが、再開館後も、江戸東京の歴史と文化を深く学ぶことができる貴重な場所として、多くの人々に親しまれることでしょう。

分館：江戸東京たてもの園：歴史的建造物が息づく野外博物館

小金井公園内にある江戸東京たてもの園は、7ヘクタールもの広大な敷地に、江戸・東京時代の歴史的建造物35棟が移築・復元されています。高橋是清邸宅や、アニメ映画『千と千尋の神隠し』のモデルとなった建物なども含まれており、当時の暮らしや街並みをリアルに体感できます。

歴史的建造物だけでなく、園内には四季折々の自然も楽しめ、都会の喧騒を忘れさせてくれる癒やしの空間となっています。

江戸東京博物館の歴史：開館までの道のりと発展

江戸東京博物館の設立は、1980年代初頭から検討が始まりました。東京都の生活文化局を中心とした検討会や委員会が設置され、資料収集、設計、建設へと段階的に進められました。数々の関係機関や個人の尽力によって、1993年3月28日、ついに開館を迎えました。開館以来、数々の企画展や特別展を開催し、研究活動にも力を入れており、江戸東京の文化の保存と伝承に大きく貢献しています。

博物館の情報

交通アクセス: JR両国駅西口より徒歩3分、都営地下鉄大江戸線両国駅より徒歩1分など、公共交通機関でアクセスしやすい立地です。
開館時間: 本館は休館中、分館は9:30～17:30（土曜日は19:30まで）。
休館日: 本館は休館中、分館は主に月曜日と年末年始。
観覧料: 常設展、特別展ともに料金設定があります。詳細は公式ウェブサイトをご確認ください。

江戸東京博物館は、単なる博物館にとどまらず、江戸・東京の歴史と文化を深く理解し、未来へとつなげるための重要な拠点となっています。一度訪れて、その魅力を体感してみてはいかがでしょうか？

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