東広島市立美術館

東広島市立美術館：郷土の芸術と現代の創造性を繋ぐ美術館

東広島市立美術館は、広島県東広島市に位置する市立美術館です。1979年、黒瀬町出身の大久保博氏からの寄贈によって八本松南に開館しました。広島県内では広島県立美術館、ひろしま[[美術館]]に次いで歴史が古く、市立美術館としては最古の美術館の一つとして知られています。

開館当初は1階建てでしたが、その後、大久保博氏の夫人である大久保フジコ氏からの寄付により2階建てに増築されました。長年にわたる地域住民の文化活動の拠点として、親しまれてきました。しかし、建物の老朽化が進んだため、2020年11月、西条駅前に新築移転しました。新館は旧館と比較して展示面積が2.5倍に拡大され、より多くの作品を展示できるようになり、来館者の利便性も向上しました。

充実したコレクション：近現代版画を中心に

当館のコレクションの大きな特徴は、国内の近現代版画が半数以上を占める点です。長谷川潔、棟方志功、草間彌生など、著名な作家の作品を数多く所蔵しており、日本の版画史をたどる上で貴重な資料となっています。

具体的には、長谷川潔の「アレクサンドル三世橋とフランスの飛行船」、永瀬義郎の「抱擁」、駒井哲郎の「束の間の幻影」、浜口陽三の「アスパラガス」、浜田知明の「初年兵哀歌(歩哨)」など、名だたる版画家の作品が収蔵されています。他に、瑛九の「旅人」、橋口五葉の「化粧の女」、池田満寿夫、吉原英雄、清宮質文、小野忠重、川上澄生、恩地孝四郎、織田一磨、吉田博、川瀬巴水、吹田文明、荒川修作、李禹煥、小林敬生、前川千帆、平塚運一、川西英など、多様な作家の作品を通して、日本の版画表現の豊かさを体感できます。

版画以外にも、中国地方の現代陶芸作家や、地域ゆかりの作家の洋画、陶芸作品なども収蔵しています。洋画では、山口長男の「漂」、織田廣喜の「銀座」、岡崎紀、柿手春三、小早川篤四郎、中田旱、難波平人、新田稲実、坊一雄らの作品が、陶芸では、伊勢崎淳、森陶岳、三輪休雪、金重晃介、今井政之、木村芳郎らの作品がそれぞれ日本の近現代美術を代表する作品として展示されています。これらのコレクションを通して、地域文化の深みと現代美術の多様性を同時に学ぶことができます。

展示と企画展：多彩なプログラム

東広島市立美術館では、所蔵作品展を年2～3回開催しています。所蔵作品展以外に、企画展も積極的に開催しており、夏には「現代絵本作家原画展」、冬には「現代の造形 Life＆Art」などの企画展を通して、現代美術の動向を紹介しています。これらの企画展は、子供から大人まで楽しめる内容となっており、地域住民にとって、美術に触れ合う機会を提供しています。

アクセス

JR西条駅から南へ約400mの場所に位置し、アクセスも良好です。

東広島市立美術館は、地域に根ざした活動と、現代美術への積極的な取り組みを両立させる美術館として、これからも地域文化の発展に貢献していくでしょう。

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